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太嫌兎村

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「高見沢さん、よくできました。答えは、夢痩せよ。男は毎日ね、夢を一杯食べて生きて行けば、いつも男の満腹中枢は満足状態で、身も心もダイエットできるのよ」
「夕月ウサ先生! 女の究極ダイエットは焦身の【恋痩せ】で、男の究極ダイエットは食夢の【夢痩せ】なんですね、わかりました」

「女の恋痩せ、男の夢痩せ その通りです。これで太嫌兎村のダイエット、初級の選食、中級の燃脂、上級の焦身食夢の全講座を終わりま〜す」
 夕月ウサ先生はそう締めくくって、元のセクシーなインストラクターに戻っった。
 高見沢は一万円で充分満足した。

 そして純情にも、「俺はもっともっと――、夢を食べて生きて行こう」、あらためてそんな決意をしたのだった。
 これで夕月ウサ先生の座学を終了した。
 その後、ダイエットの実トレーニングもさわりだけだったが、個人指導してもらった。
 このようにして、高見沢は楽しく半日コースを終えたのだった。

「高見沢さん、いかがでしたか? 太嫌兎村の半日村民体験は、楽しかったですか?」
桃花ウサギ村長が訊いてきた。
「ああ、めっちゃオモロかったよ。いつの日かここの村民になりたいよなあ」

「高見沢さんならいつでも歓迎するわ。それでは最後になりますが、下界に戻っても、今日勉強してもらった通り、夢を毎日一杯食べて生きて行って下さいね。それで身も心もスリムにして下さい」
「はい村長さん、心を新たにして頑張ってみます」

「まっ、お利口さん……のこと」
 さすが村長さん、いつも合いの手がまことにお上手。


作品名:太嫌兎村 作家名:鮎風 遊