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太嫌兎村

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「高見沢さん、まだ諦めないでね。男の究極ダイエットは何か、それを一緒に考えましょうね」 

 高見沢は、関西系サラリーマン、際立った性格は――、調子乗り。
 こう優しく言われて、いきなりの蘇生。
 反応よく、「う〜ん、男の究極ダイエットね。それは、な〜に?」と考え始める。しかし、なかなか答が見付からない。

 そんな様子を窺(うかが)っていた夕月ウサ先生、「じゃあ、ヒントを出すわ。いーい、何かやりたいことはないの?」と言い、微笑んでこられた。
 それに高見沢は殊勝に答えた。
「ああ、あるよ。ずっと夢を追いかけてきたし、これからも夢を追いかけて生きて行くつもりなんだけど」
 そしてその後、はっと気付くのだった。
「先生、わかりました! 男の究極ダイエットは…、夢痩せで〜す!」

 この回答を聞いた夕月ウサ先生、パチパチと手を大きく叩いて、そして一発ギャグを飛ばしてくる。  
「アッタリ前田のクラッカー!」
「先生、それちょっと古典的過ぎないですか? それと、意味合いが微妙にズレているような気もしますが」
 高見沢が突っ込んでみると、キュートな夕月ウサちゃんは、「そうお。オホホ、オホホのホ」だって。

 高見沢はまたこの色気なオホホのホに、ヨ〜レヨレーとなってしまう。


作品名:太嫌兎村 作家名:鮎風 遊