太嫌兎村
【恋痩せ】コース。
高見沢はそう聞いて、急に興味津々となる。
「それ面白そうじゃん、イッチャン俺に向いているかもな、それってどんなのよ?」
「高見沢さんには、まったくのまったく―――、無縁のコースと思いますけど」
夕月ウサちゃんはしつこく否定してきた。高見沢は突き放されて気に喰わない。
「なんでやねん、夕月ハン、恋をして痩せたら良いのだろ。思いっ切り恋に落ちて、ダイエットするというやつだろ。そんなん簡単なことだよ、…、ウサ先生となら、今からでもOKだよ」
高見沢は恋痩せコースをぜひ体験したいと申し入れた。そんな強い要望に、夕月ウサさんはすかさず言葉を返した。
「だってねえ、こんな関西弁のオッチャンじゃ――、私、イヤダー!」
夕月ウサはんは、随分はっきりともの申されるものだ。
「俺はまだ花も実もある、男の純情、人生真っ只中、俺ではなんで御不満なんだよ!」
高見沢はムカッときた。
「高見沢さん、悪いこと言わないわ、…、無理って」
夕月ウサ先生はまったく突き放してきた。