太嫌兎村
「えっ、それって体育会系シゴキの世界じゃないの。確かにエネルギーは使うし、【燃脂】には結構なことと思うけど…、この歳じゃちょっと耐えられないよ。関節が弛んでるし、そんなものデケヘンで、ねっ、カンニンして」
高見沢は精一杯のお許しを請うた。
しかし先生は厳しい。
「ダメ、この巨人の星プログラムはダイエットの登竜門よ。言うことをちゃんと聞かないと地獄村に送りますよ」
夕月ウサ先生が今度は脅してくるのだ。
高見沢は地獄村に送るよと脅されて、再び一所懸命訴える。
「まあまあまあ、ウサちゃん、そうムキにならずに、ねっ、アンタはんはキュートなバニーちゃんなんだから、優しく優しく。もっと他の燃脂メニューを紹介してちょうだいよ」
「だったらそうね、他は…、ウサギの餅つきかな」
夕月ウサ先生はそう言い放って澄ましている。
「先生、それって労働の分野に入るんじゃないかと思うのですが、もうちょっと娯楽の入った楽しいプログラムを頼むよ」
ぺったんぺったんの餅つき。
高見沢は、昔、年の暮れの寒い時に、時給の安いアルバイトをやったことを思い出した。
そのせいかもう一つ気が乗らない。
だが夕月ウサ先生は、高見沢の不満なんかにはお構いなしだ。