太嫌兎村
「ああ、ここはダイエットに励むバニーたちの村だったんだよなあ」
高見沢はただただそう反復するだけだった。
「高見沢さん、一つ質問をするわね。世の中に難しいことが二つあるのって知ってますか?」
村長さんは変なことを聞いてきた。
高見沢は答えがわからず、「それって何ですか?」と聞き返した。
「ファイナル・アンサーは…、男の禁煙と女のダイエットなの、これわかる? つまりダイエットは女性にとって大変難しい課題、だけどもっと美しくなるために達成したい永遠のテーマなのよ」
桃花ウサギ村長はマリア様のような表情で、そんなことを仰る。
「なるほどね、ダイエットが女性にとっての永遠のテーマか、そらそうかもなあ」と身の回りの女性たちを思い出し、単純に納得をしている。
さらに村長さんは自信たっぷりに話しを続ける。
「この美しい太嫌兎村で、私達は究極のダイエット法を窮め、そしてそれを世の中に広め、貢献して行きたいと思って暮らしているのよ」
高見沢は深く思考も及ばず、ただ「スゴイ!」と叫んだ。そして独り言にも似た発言をする。
「究極のダイエットね、俺も最近太り過ぎで、ダイエットをしろって看護師さんからきつく注意されているんだよなあ…、ホント、若い頃のスリムな身体に戻ってみたいよなあ」