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マナビノ箱

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しばらく日の過ぎた給食のあとのお昼休憩。
けんじくんは、いつもどおりみんなとの輪の中にいた。
「なんだよ、あいつ」ほんの小声で呟いたつもりだったが、隣の女子に聞かれていた。
「なおきくんは、遊ばないの?」
「どうして遊ばなきゃいけないの?いつもにたにた笑ってさ。ごきげんとりじゃん」
「そうかなー。うちのおかあさんがね。『なかよくしてあげようね』っていってた」
「どうして?」
「いつひっこしになるかわからないから、お友だちいっぱいつくるんだって。じぶんからゆうきだして、いやなかおしないでおはなしするんだって。わたしだったらできないかも。なおきくんは、おとこだからへいきでしょ」
「う・・・」返事がうまくできなかった。でも頭の中で風船が割れたようだった。

作品名:マナビノ箱 作家名:甜茶