森と少女~forest
アリス「(不安げに)一人で……?」
隊長 「そう、一人でだ。森の奥まで一人で行けたなら、おまえはこの森の住民としての資格を得ることができるだろう」
ウサギと隊長、アリスから離れる。アリス、不安げにウサギを見つめる。
ウサギ「(歩いて去っていきながら、アリスを振り返り)心配しないで、アリス。君なら一人でも森の奥まで行けるんだから」
隊長 「ふん(警備隊と共に去っていきながら)いいか、アリス。この森の奥にはな、どこにでも、いつでも、安らかに眠れるベッドがあるわけじゃないんだ(小声で、拗ねたように付け足す)だが、……応援はしている。頑張れ」
立ち去っていくウサギと隊長(警備隊)。
アリスはしばらくその後ろ姿を見つめていたが、やがて決心したように深く頷いて、
アリス「……頑張ります」
アリス、ウサギ達とは反対方向に歩き出す。
暗転。
作品名:森と少女~forest 作家名:名寄椋司