森と少女~forest
アリス「えっ!?(慌てて振り返り)な、なに?」
イモムシ「いやあ、さっきおまえ、この森の住民票に登録されてないって言ってたよな」
アリス「うん。そうだけど、それがどうかしたの?」
イモムシ「そうか(しばらく腕組みして考え込み。言いづらそうに)あのよ、俺が思うに、おまえはこの森の住民にはならないほうがいいと思うぜ?」
アリス「え……?」
イモムシ「さっきも言ったろ。この森の奴らは優しいんだ。だけどアリス、優しさには甘えちゃいけないんだよ。みんなそれがわかってねえ(へっ、と小さく笑って)まあ、誰かの優しさに寄りかかるか、それとも自分が誰かに優しくするか、選ぶのはおまえだけどな(ひらひらと手を振り)じゃあな、アリス!(舞台の端に走っていく)」
アリス「(手を振って)じゃあね……(納得いかなそうな様子)」
作品名:森と少女~forest 作家名:名寄椋司