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ペッパーミント

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ミドリさんは、店先の棚から小さな瓶を取り、モモコさんに手渡した。
「うん?『ピンクペッパー』?」
「そう、ここにあったコメント見ていたら モモコみたい。ペッパーって名前のくせに
辛くないんだって、色鮮やかでほんのり甘いんだって」
「それが、どうして私?」
「さっきの客に厳しく言ってやるーって感じだったのに結局、言い聞かせるみたいに優しくなっちゃってさ。最後はいつだって甘いから」
「それは褒め言葉か、それとも・・・あ、これ」
モモコさんは、棚から取り出し、ミドリさんに渡した。
「じゃあこれは、ミドリ」
「え、『ミント』?どうして?葉っぱが緑色なんて言わないでよ」
「うん、違う。すぅーっとするでしょ。さっきとってもすーっとしたから。それだけ」
「まったく!ぜんぜんわからない」
「そっかな。印象が大事。第一印象だからね。ってもう何回目の印象かな?」
モモコさんを不思議な顔で見ていたミドリさんだったが、笑顔になった。
「じゃあ私コレ買う。モモコがそう言ったから」
「え、えっと、じゃあ私もコレ買う。ミドリが見つけてくれたから」
ふたりは、レジに持って行くと口をそろえて言った。
「プレゼント用にしてください」お互い顔を見合わせる。
『ピンクペッパー』には、グリーンのリボンを。
『ミント』にはピンクのリボンを。
それぞれに付けてもらった。

作品名:ペッパーミント 作家名:甜茶