ペッパーミント
「われなべに とじぶた!」 「われなべに ドジブタ!」
ミドリさんはモモコさんの肩を張るように叩いた。
「やっだぁーモモコったら、ドジブタ?あははは・・・もうやめてよ。こんな所で。
くくくっ。モモコってマジに言ったでしょ?くくくっ。くくくっ」
「何よぉ、そんなに可笑しい?」
ミドリさんは、なおも笑いながら頷く。
「ずっとそう思っていたんだもん。でもこれからは、間違わないわ。『われぶたにどじぶた』ね」
「もうやめて・・・腹の皮が雑巾絞り。あ、よじれるーくくくっ。ちゃんとちゃんと言ってみてよ」
「だから、『われぶたに』・・・」
「そこから違うってば、『われなべ』鍋よ鍋!で『とじぶた』はい」
「えっと『割れ鍋にど、とじぶた』これでどう?」
「はい、よくできました。モモコがこんな可笑しい子だって知らなかったよ」
「そりゃどうも」