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ペッパーミント

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店員さんが、それを陳列から取り除いてふたりにお礼の頭を下げた。
「あの、それ売ってくれませんか?」とミドリさんが言った。
「でも」と店員は断った。
モモコさんはミドリさんの顔を見てから店員さんに言った。
「買うからおまけしてくれないかな?」と値段交渉をしたのだ。
ミドリさんはモモコさんが言い出したことに驚いた。(いつもはおとなしいのに)
結局、ミドリさんも加わり、半値以下で成立した。
「ミドリは本当に良かったの?要らなかったら私が買うよ」
「いい買い物じゃん。それほど酷く歪んでないし、少し押しなおせば、形直りそうだし」
「え、凄い力なんだね」
「モモコの勇気につい言っちゃった。蓋は大丈夫だし、直らなくても充分使えるよ」
ふたりその鍋を見ながら、「これって何とか言うでしょ・・・えっと・・・」
頭によぎるその言葉を思い出したふたりは、顔を見合わせ息を吸い込んだ肩を合わせて
店の前の通路で声にした。

作品名:ペッパーミント 作家名:甜茶