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ペッパーミント

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おっとりモモコさんが、飛び出して行った。
「ちょっと、待ってください。そのまま帰る気ですか?落とされたのは、仕方ないですが
傷ついたことを店員さんに言わないんですか?大体そんな大きな荷物持っているから落っことすのよ。これはこれから買おうと思っていたやつなの。だからそのままにされると
すんごく腹が立つの。弁償するか、店員さん呼びます」いつもと違い辛口に責めた。
「何言ってるの。私知らないわよ」
「そんなこと言って知らない振りするんですか。こんな、こんな可愛いお鍋。誰かに使ってもらえずに捨てられてもいいんですか?おばさんの家の一番高いものが壊れたらほっとかないでしょ。この鍋を買うのがやっとって人だっているかも知れない。それが壊れていたら哀しいでしょ」
モモコさんの話は、例えが可笑しくなっていく。
ミドリさんが店員さんを連れてきた。その客は、少しごねたが謝って帰った。

作品名:ペッパーミント 作家名:甜茶