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山本 かの子(偽名)
山本 かの子(偽名)
novelistID. 34002
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バツイチの娘。~未成年のあたし~

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ちょっと変わった子、クラスにいませんでしたか。


【バツイチの母】と決して仲が悪かったわけではない。
『お母さん、あたしのこと見捨てないかな』
と不安がどこかにあった。今、思えば...

ショッピング、外食は【バツイチの母】と行くくらい仲がよかった。
友だちといるよりも、あたしにとって【バツイチの母】の存在は、
親友でもありケンカする仲でもあり、そしてなにより一番の良き理解者。
あたしが、学校で何かあればすぐに【バツイチの母】に愚痴を聞いてもらっていた。
同時に【バツイチの母】も仕事の愚痴をあたしに話してくれた。

そのような存在の人を、あたしは裏切りたくはなかった。
小学校高学年ともなれば、同級生は万引きに走る。
あたしはしなかった。
なんで?
『お母さんに迷惑かけたくないから』
バツイチの家庭=不良という世間の目を気にしていたのも多々あるが、
『お母さんを裏切りたくなかった』
とういう正義感?と呼ぶのか【バツイチの母】という存在の抑圧からなのか、
どちらとも云い難い。

ちょっと変わった存在と自覚しはじめたのは【イジメ】。
イジメといっても、かわいらしい陰湿な嫌がらせとしか、
あたしは感じていなかった。

女子はグループを作り、暗黙のルールがある。
だが、あたしは集団行動が苦手なためその暗黙のルールに従えない存在だった。
それが原因だろう。嫌がらせの標的になるのは。
あたしの脳内では
『幼稚』くらいにしか思っておらず、
嫌がらせを受けても泣くこともやめてよーとも云わず、
ひとりの時間を過ごしていた。
それもまた、嫌がらせする側にとって怒りを買う言動なのだろう。

中学に上がるとバスケ部に入った。
もちろん嫌がらせしてきた女子もいたが、不思議なことに仲がよかった。
入学後すぐ、隣の小学校から上がってきた子と仲良くなったことがきっかけに、
またもや嫌がらせの標的になった。
陰湿なイジメ。
朝、学校に行けばえげつない言葉が書きなぐられている紙が下駄箱に入っている。
机の上には、あたしが写っているプリント倶楽部の顔が、
カッターのようなもので刻み込まれている。
廊下・階段を歩けば、罵声をあびる。
しかし何をされても屈しなかった。

部活があったから。
幸運にも先輩にかわいがられたから。
どうやらあたしは、先輩にはかわいがられる存在のようだ。

もちろん【バツイチの母】にも相談していた。
『イジメられているんだよねー。ほら』
とえげつない言葉が書かれた紙とプリント倶楽部をみせた。
母『証拠品としてとっておきな』
【バツイチの母】の言葉は強かった。

イジメが続く中、担任の先生に
『協力してくれ。やつらのしっぽをつかみたいんだ』
と云われた。
つまりは、あたしがおとりになって彼女らの陰湿なイジメをストップさせようってことのようだ。

『証拠品が役に立つ~!!』
担任の先生に見せた。
えげつない言葉が書かれた紙を見た担任の先生は
『お前、これ事実か?』
と訊ねてきた。
『うーん、ご想像にお任せします。云いかえれば当たってるところもあるし』

数日後、イジメの実行犯と金魚のフンとあたしは、
担任の先生のいる前で話しあうことになった。
あたしにとって本当にその時間は無駄で
『はやくバスケやりたいなー。めんどうくさい』
『どうせ、先生の前だから泣いたフリでもするんだろうな』

何を話しあったのか、記憶にない。
ただ担任の先生が猛烈に熱く、イジメをした側を叱咤していた。
『なにやってんだか~』

これで陰湿なイジメは終わったのだが、
それからイジメ実行犯が執拗にあたしにへつらうようになった。
あたしは来るもの拒まず、去るもの追わずな性格故に、
『まあ、いっかー』程度で仲良くなった。

今思えば利用されていたのだろうが。

『お母さん、あたし強い子だよ。負けない子だから安心してね』