バツイチの娘。~未成年のあたし~
引っ越し。
誰が?【君】?違う、あたし。
あたしを脅かした存在、ヤモリ。
『【君】がいなくなったらどうすればいいの?』【バツイチの母】に相談した。
『引っ越しすれば、それであなたが安心するなら』
【バツイチの母】はすんなり了承してくれた。
『お金がない・お金がない...』が口癖だった【バツイチの母】
『本当にごめんね』と泣きながら【バツイチの母】に頭を下げた。
『引っ越しは自分でやってね』
新しいアパートは、【君】と出会ったアパートの階段から見えた新築のアパート。
システムキッチン・トイレの便座はウォシュレット・浴室は暖房・乾燥機付き。
うれしくって料理を始めた。その反面【君】との溝ができた。
【君】の家にはまったく行かなくなった。【君】が来てくれてもあたしはそっけなかったのか...
『俺、いないほうがいいのかな?』【君】は云った。
あたし『なんで?』
君『なんでも自分でやってるし。なんかもう必要ないのかなって』
『そんなこと思ってないのに...』
【君】とあたしの想いは一方通行で同じところを向いていないときがあって、
そのことをその時気づいていたら、
今でも【君】はあたしの側にいてくれただろうか。
作品名:バツイチの娘。~未成年のあたし~ 作家名:山本 かの子(偽名)