バツイチの娘。~未成年のあたし~
【君】とあたしと【バツイチの母】。
あたしは、わかりやすい人間だ。そして人を振り回し、人に振り回される。
つまりは、影響されやすい人間。
アルバイト中心、Aと共に過ごしていた時間から、
彼(以下【君】)中心の生活に変わるように身を投げた。
【君】がアルバイトが終わる時間に、あたしもアルバイトを終わらすように。
【君】があたしの部屋で生活するように。
【君】の助手席はあたし。
【君】に興味津津だった。
【君】が教えてくれる音楽、お店、何もかもがあたしのこころをワクワクさせてくれた。
あたしは【君】にすごく甘えた。
甘えさせてくれた。あたしが【バツイチの母】に甘えたい・認められたいこころを
【君】はすべて受け止めてくれた。
癇癪を起して泣き叫ぶ度『大丈夫、大丈夫』ってなだめてくれた。
だからね、自然と惹かれていった。のは、あたしの一方的には過ぎなかった?
『【君】のために。喜んでもらいたい』行動は、
【君】はどう思っていたのだろうか。
【君】の気持ちなんてあの時、ちゃんと考えたこともなかったあたし。
【君】には何でも云えた。
今まで育ってきた環境、【バツイチの母】のこと、大学生活のこと。
【君】は『うん、うん』って頷き、共感してくれたことを...
忘れないよ、今でも。
ひとりぼっちの大学生活を救ってくれたのは、【君】だったことを。
『お母さん、あたし隣の住人と付き合うことになったから』
【バツイチの母】はたびたび、下宿先に来ていた。
あの時の【バツイチの母】の顔を忘れないよ。
そう伝えた時の、悲しそうな顔を...
『お母さん、あたしが遠くなってくって思ったの?』
『あたしは、お母さんが離れていくって思ったよ』
作品名:バツイチの娘。~未成年のあたし~ 作家名:山本 かの子(偽名)