バツイチの娘。~未成年のあたし~
一人暮らしと田舎という未知なる世界のはじまり。
引っ越しの準備は慌ただしかった。
相変わらず【バツイチの母】の予定でころころ日取りが変わった。
31日のはずが30日に...
【バツイチの母】はあたしのこころの準備の配慮を無視するように。
一人暮らしのアパートはボロくて、
階段から見える目線の先の新築のアパートが羨ましく感じた。
一人暮らしをはじめて最初に作ったごはんは、マーボーはるさめ。
1盒炊いたごはん。
一人寂しく食べた。
『まずい』
一人でご飯を食べることは慣れているはずなのに、
一人でいることは苦ではないのに...
『帰ってくる人がいるといないではこんなにも感情が違うんだ』
と唇を噛みしめた。
【バツイチの母】には
『元気だよ~田舎だからなにもないよ~』
と電話越しで笑いながら話したが、実際はそうではないことはあたしが一番知っている。
それから、入学式までどのような日々を送ったのか、
記憶がない。ただテレビの音だけが部屋に響きわたるだけだった。
あと【隣の部屋の雑音...】
作品名:バツイチの娘。~未成年のあたし~ 作家名:山本 かの子(偽名)