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山本 かの子(偽名)
山本 かの子(偽名)
novelistID. 34002
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バツイチの娘。~未成年のあたし~

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抑圧的、支配の下であたしのアイデンティティが見失っていった、あたし。

部活の顧問は体育の教師。熱い女性だった。という表現はイメージしにくいだろうから、ヒステリー女だ。
理不尽なことで怒る女だ。バスケのプレイで指導というより、抑圧した物の言い方で何人もの部員を辞めさせた女。
辞めた同級生に対して、体育の時間の際に無視という教師にあってはならない、
卑劣な行動をする。
その反面、男子生徒には甘い。わかりやすい女だ。
そのような場面を見てきたから、あたしは辞められなかった。
ここまでははじまりにすぎない。

高2になってキャプテンを任された。
ここからが本当に苦痛の日々の幕開けとなった。
当時を知る部活の仲間は
『部活はじまる前、必ず死にたいって云ってたよね』と振り返る。
辞めることよりも、死ぬほうがよかったと思った発していたのだろう。
顧問と仲間の板挟みで、あたしの脳内はパンクしていた。
やり場のない気持ちは自分の中で解決できるキャパシティもなく、
【バツイチの母】に愚痴をこぼしていた。
『顧問に全部やられたことをノートに書いて、学校に提出したら?』
『辞めるのは簡単だけど、続けていきなよ。きっと達成感が生まれるから』
【バツイチの母】なりに応援してくれていた。

あたしは、その顧問のことを今でも好きになれない。
かといってOG会などで会えば、特技のへつらいができる。
顧問はあたしを一番弟子だと云う。あたしも表面上
『一番の恩師』として通している。

キャプテンになってからはいつも怒っている子だった。と
【バツイチの母】は云う。
『あーでもない、こうでもない。あーいえば上×だの』
『文句ばかりたれてた』と。

悪いが、そんな記憶あたしの脳内にはない。
ただただ、顧問から受けた傷だけが高校生活の思い出を埋めている。
それでもあたしは、部活の仲間に恵まれていた。
そのことには、感謝している。
ただそれだけ。

大学進学という言い訳で、早めの引退をした。
解放感で満ち溢れていた。
今まで部活以外のクラスの子と下校中に、カラオケに行くことがたのしかった。

大学受験も高校受験同様、推薦だったので、
さほど勉強はしていない。
大学の選択も『介護福祉士の資格が取得できる大学で~偏差値があたしより低くて~』と
教室の後ろの掲示板から候補を探していた...
『あった!!』
『県外?親離れ子離れもできるし、ここにしよーっと』
軽い気持ちで、オープンキャンパスにも参加せず、推薦入試を希望した。
【バツイチの母】は反対しなかった。
『いつか嫁に行くんだから、離れるのが早いか遅いだけ』
『夢のためなら応援するよ』
【バツイチの母】はいつもあたしの夢に投資してくれた。
その投資はどこからきているのか、18歳のあたしには想像すらしていなかった。

推薦入試当日。12月冬。
【バツイチの母】も同行した。なぜなら、一人暮らしをする場所はどういうところなのか下見にきたのであった。
『寒い・・・何この田舎!!!!』
『こんなちっぽけな学校なの?』
『もう落ちてもいいわ』
とあたしは思った。
面接の順番がまわってきた。一番最後だった。
待たされるのが大嫌いなあたしは、寒さと怒りのピークに達していた。
面接官に対し適当な受け答えをした。
あのときのババァが、在学中、
あたしを助けてくれるなんてその時は、思いもしなかった。


高2~3の担任の先生は女だったけれど、
部活の顧問の相談を聞いてくれた。
すごくあたしのことをわかってくれる先生だった。
いつかの3者面談の日に、担任の先生は
『この子(あたし)を見ていると昔の自分を見ているように思えます』
『一人で抱えこんでしまって、いっぱいいっぱいになって逃げ出したくなる』
その言葉が今でも忘れられない。


当時のあたしの気持ちとは残念なことに、合格の通知が届いた。
ただ『一人暮らしできる』
という未知なる世界への期待が高まっていた。

少しでも引っ越し費用を貯蓄するために、アルバイトをはじめた。
時効が過ぎたからいうが、学校で禁止されていた自動車免許を取得するために、
自動車学校へ通いはじめた。

無事卒業。