バツイチの娘。~未成年のあたし~
無事高校入学するころには、
【バツイチの母】は仕事が決まっていた。あたしはまたもやバスケ部に入学をした。
同時に【バツイチの母】とあたしの二人暮らしから、
祖父母の家に引っ越すようになった。
理由は、あたしが私立の高校に通うため。資金がないからだ。
裕福な生活ではない家庭環境だが、【バツイチの母】は、
あたしの夢を叶えるために協力してくれた。
ずっと二人暮らしだったから、祖父母との折り合いが悪かった。
当時、祖父母は自営業で現役だった。
折り合いが悪いのは【バツイチの母】で、
昔から祖父母とは仲が悪い。
その板挟みになったのはこのあたしだ。
だが、あたしにとっては理不尽なことで【バツイチの母】に、
怒られることがなくなった。
『よかった』と思った。
高校生活は、朝練からはじまり下校は8時過ぎ。
家にいる時間が減った。
クラス内でのイジメの標的になることもなく、
楽しい高校生活を送っていた。
相変わらず、集団行動が苦手だったが、
ちょっと変わったおもしろい奴というキャラで、
皆、好いてくれていた。はず。
中学までは同級生に
『あたしんち母子家庭なんだよね』と云えなかった。
そのわけは負い目を感じていたから。
同級生のお父さんの話しが出ると、茶を濁すように話しを無理やり変えていた。
が、高校に入ると周りには【バツイチ】の娘。が多かった。
『あたしも母子家庭だよ~』と異様な共通点で話が盛り上がった。
クラスではよかったけれど...部活。
部活の顧問があたしの敵だった。
『あの頃から、おかしくなったね』と【バツイチの母】は語る。
作品名:バツイチの娘。~未成年のあたし~ 作家名:山本 かの子(偽名)