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郷田三郎(G3)
郷田三郎(G3)
novelistID. 29622
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魔法のランプ -THE MAGICAL RUMP-

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 ヤツの話が途切れたところで、オレは思い切って切り出した。
「ところで、田島くん。魔法のランプって信じるかい?」オレは他の客に聞かれない様、慎重に言った。
「なにぃ? 魔法のランプ――ってあの開けゴマってやつか」田島は勘違いしているクセに今にも噴き出しそうな顔になった。ただ、オレのひそひそ声に反応したのか、わざとらしい程に小さな声で返して来た。この辺、多少は大人になったという事なのだろうか。

「うん、実はひょんな事から魔法のランプと言われるモノを手に入れたのだけどね、怖くてね、使ってないんだよ」
 オレは相変わらず魚をつついている。
「ふん、下らねぇ。つまんねぇヨタ話しなんか吹いてると苛められっ子だった頃を思い出させてやるぜ」
 田島はむしろ昔を思い出したくて仕方ない、といった表情をしていた。
「あ、そんな積りじゃ……。ただ譲ってくれたヒトはすごく口が上手くてね、ボクは全然買う気なんて無かったのに……。結構高くついてしまってね……」
 オレは怯えた風を装って田島の顔を上目遣いに見た。田島は満足そうな笑みを浮かべながら少しの間、何かを考えていたようだが。
「いや待て、案外面白そうな話だな。オレもひと口乗ってやろうか? 場合によってはその詐欺野郎に叩き返して慰謝料をふんだくってやるって手も……」
 こんなに簡単に乗ってくるとは思わなかったが、話が早いのは歓迎できた。なにしろオレの牧場は遠いのだ。

 では相談したいからと言ってオレは田島を牧場に誘った。
 電車の中で、田島はまたもや昔話を始め、ついには悪友たちの近況なども語ってくれた。
 田島自身はまだ独身の一人暮らしで、週末にふらりと出かけるのにも誰にも連絡しないで良いのだそうだ。

 千葉県内の駅で列車を降り、駅に止めてあったオンボロの4WD車で隣接県にある牧場に向かった。