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愛の深度計

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榊原が絡んで来た。
事実、高見沢は「どれくらい愛してますか?」なんて聞かれた事がない。
しかし、あまりにも図星で指摘されたものだから、男のプライドが許さない。
むかつき、後は嘘っぱち。

「あのな、榊原、俺をなめてんのか、確かにお目出度く歳を重ねてしまったが、
俺だって、そんなこと聞かれた経験 … 腐るほどあるわ!」

「じゃあ、どう返事したら良いか、はっきりと教えて下さいよ」
榊原がしつこい。

「そんなの、どうせ飲み屋のお姉さんが指名取りたいから言って来てるんだろ、

愛の決まり文句があるだろうが、君への愛は海よりも深い … とか、
どうだ、これで『どれくらい』の答えになるだろうが」

すると榊原がその表情を曇らせて来る。
「高見沢さん、ちょっと違うのですよ、実は、尋ねて来てるのは …
カミさんなんですよ」

「カミさん?」
高見沢はその言葉に深刻さを感じ取った。

そして、まじめに、
「そうか、カミさんからか … 何があったのか知らないが、まあ、ちょっと返事を考えてみるか」と、可愛い部下からの人生相談に乗り出した。


作品名:愛の深度計 作家名:鮎風 遊