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愛の深度計

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こんな愛についての会話を終わらせて、
高見沢は今、少々の挫折感を味わいながら帰宅の電車に揺られている。

「そうか、榊原の言う通りだよな、愛の深度計で、愛のレベルを知ったとしても、その改善方法が見付からない限り、トラブルが増すだけだよなあ … 」

そして、高見沢はついに結論を下す。
「愛の深度計、それは結局 … 不幸を生み出す測定器だったと言う事か、
えーい、もう開発は止めた」

高見沢は力を落とし、トボトボと単身赴任のアパートへと帰って来た。
冷えた部屋へと戻り、早速冷蔵庫から缶ビールを取り出し、グビグビと。
しかし、心は晴れない。

そんな時に、妻・夏子からケイタイが掛かって来る。
「あなた、最近どうしてるのよ?」
「うん、仕事頑張ってるよ」
高見沢はまずは心配させまいとそう答えた。

「そうなの、だけど私、最近思うのよ」
「何を?」
高見沢は軽く聞き返した。
それに対し、夏子から驚きの質問が飛び出して来るのだ。

「ねえ、あなた …
あなたは私を … どれくらい愛してるの?」


作品名:愛の深度計 作家名:鮎風 遊