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愛の深度計

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「だったら、お願いです、4を5に上げる方法を教えて下さいよ、
愛の深度計なんて、そのレベルを改善する方法がない限り、意味ないっスよ」
榊原はそううそぶいた。

だが、それもその通りだ。
考えてみれば、愛のレベルを1つ上げるためには、
相手をより愛しく思い、ドーパミンをさらにガンガン分泌させなければならない。
日々多忙で、他に考えなければならない事が一杯あり、そんなのそう簡単には分泌されて来ない。

ならばと言う事で、高見沢はまた口から出任せではあるが、質問をしてみる。
「愛のレベルを合算で上げてみるか、榊原が最近胸がときめいて、ドーパミンが溢れ出る事って、何だよ?」と。

榊原はそれに調子を合わせて、
「トキメクことね、それは刺身が一杯盛り付けてあって、ご飯が見えないちらし寿司を食べてることかな」と、こちらも大概いい加減。

「じゃあ、提案だが、奥さんをちらし寿司の刺身のように思ってみたらどうだろうか、
例えばだぜ、つぶらな瞳はイクラ、口はカジキマグロ、耳はアワビ、
頭には … タコを被ってるとか」

これを聞いて、榊原がムッとしている。
「高見沢さん、それって最後に … 歩く姿はカニ、そう思えと言いたいんでしょ、

高見沢さん、もう止して下さいよ、そんな残像が心に刻み込まれたら、もう一緒に暮らせなくなりますよ、

ところで、高見沢さんの愛の深度はどうなんですか?」
榊原が切り返して来た。

高見沢はいきなり痛い所を突かれ、「うっ」と詰まってしまった。
そして、気を落ち着かせ、
「そんなの公表出来るわけないだろ、現在鋭意努力中だよ」と突っぱねるしかなかったのだ。


作品名:愛の深度計 作家名:鮎風 遊