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愛の深度計

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高見沢は言葉を詰まらせてしまった。
しかし、ここは愛の深度計、榊原とのやりとりで鍛錬済み。
まずは無難に、「めっちゃ愛してるよ」と。

「そんなのわからないわ、もっと具体的に言ってよ」
夏子の追求が止まらない。

「ああ、ハートマーク5つだよ」
高見沢は誠意をもってそう宣言した。

「ハートマーク5つ? それ、何よ?」
夏子が訝ってる。
そして暫くの沈黙の後、宣われるのだ。

「そんなハートの絵文字で誤魔化さないで、
愛をもっと実のある形で … 証明して頂戴、

だからハートマークじゃなくって、
やっぱり愛は … 星の数なのよ」

高見沢は夏子が何を言い出したのかが理解出来ない。
「星の数って、どういうこと?」と恐る恐る聞き返してみた。

「あなたぜんぜんわかってないわね、最近流行ってるでしょ、
ミシュラン・3つ星レストランのことよ、

男の甲斐性で、私を出来るだけ多くそこへ連れてって下さらない、
そして、その星をたくさん私に贈って頂戴、

あなたの愛の深さは … 星の数10個レベル?
それとも100個? 

それで測って上げるわ」

「%&#@* … 」
高見沢はもう返す言葉が見付からない。


作品名:愛の深度計 作家名:鮎風 遊