愛の深度計
「どんな女性でも、客観的にかつ科学的に、相手となる男性の愛の深さを知りたいと思ってるだろ、それで、もし深度計で測って、たとえそれがレベル2だとわかったとしても、それじゃ私、次の男見つけますとやり直し出来るからね、
仲良さそうな夫婦でも、愛の深度計で測ってみたら互いに深度1だったりして、実はまったくの仮面夫婦だったりして … これ、面白いと思わないか?」
「面白いかと聞かれても、そりゃあ、夫婦間の愛のレベルがはっきりわかれば、新しい展開が期待出来るという事ですね」
榊原は高見沢の熱弁に押されっ放し。
だが、さすが直属部下、一番興味のあるところを聞いて来る。
「それって1回の測定は、いくらくらいなんですか?」
高見沢はそれは当然の質問だと言う顔をしている。
「基本的にはお手頃感がないとダメだよな、目標価格としては、測定1回消費税込みで1万円までだろな、1万円で愛の真実がわかるんだぜ、安いもんだよ、
1万円としても、1年に1回は女性達はチェックしたいだろう、
世界人口70億人、その半分が女性、
例えばその3分の1の女性・約10億人が測定したとしても、年10兆円市場になるよ、
利益率5%で5000億円、ボロ儲けだよ、
それに、愛の深度計を、まあ相場として1台30万円で販売するとしたら …
どれだけ儲かるか、榊原、想像出来るか?」
「なるほど … ですよね」
榊原は感心するしかない。