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男の決意、そして … その結果

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今日の亜伊火は、和風麗人に大変身していた。
しかし大輔は、その着物姿の外見に驚いたのではない。

亜伊火の立ち居振る舞いや仕草。 
そして、ふわりと周りを包み込んでしまう柔らかな雰囲気。
すべてが意外だった。

いつも雌豹のような亜伊火。 
なぜ、いつもとこんなに違うのか、大輔にはその理由がわからない。
個展会場を出てから、大輔は辛抱し切れず、亜伊火に直接聞いてみる。

「今日の亜伊火って、しっとりと落ち着いていたよ、理知的で綺麗だったよなあ、
一体、何が起こったんだよ?」

すると、亜伊火は不満気に言い返して来る。
「大輔、まだわかってくれてないのね」

「何が?」
大輔は本当にわかっていない。

「私の一番好きな羽衣は、大輔だけのために仕舞ってあるの …  
だから今日は、他の羽衣を着て来たのよ」

亜伊火がなぜか少し涙声なのだ。

「えっ、俺のための羽衣って?」

「だから、わかるでしょ、 
いつも大輔といる時だけに着てるでしょ … 私の素の羽衣を」

そんな事を言う亜伊火が美しく見える。

「ふーん、そうだったのか、だから …  
俺のための羽衣を着た亜伊火は、自由奔放で言いたい放題、そして野生の香りがしてたのか」
そんな事に、大輔は初めて気付いたのだ。