小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

男の決意、そして … その結果

INDEX|10ページ/14ページ|

次のページ前のページ
 

そんな時に、亜伊火は唐突に天女伝説の話題を持ち出して来る。

「ねえ、いつか話しをしたでしょ、天女のその後、どうなったかってね」
「ああ」と、大輔はぼそっと答えた。
そして、亜伊火は語るのだ。

「私ね、『現実派』/『恋愛自由派』/『一途派』の順で、嫌いなの、 
それとね、私には全部当てはまらないのよ」

大輔は驚いた。
そしてあらためて聞いてみる。

「亜伊火がもし天女だったら … その後はどうするの?」

すると亜伊火は涙を拭き取り、大輔をじっと見つめて来る。

「私、一様地上には戻って来るわ、
だけどね、伊香刀美の所には決して戻らないわ」 

「ほうお」
大輔は、亜伊火が披露した四つ目のケースを聞いて驚いた。
そして更に亜伊火は、びっくりするような事を言うのだ。

「その後は、伊香刀美の愛人として、ある距離を置いて、生きて行くわ」

「えっえっえ、愛人派タイプね … そうなんだ」 
大輔は声を詰まらせた。

「そうよ、それが私の選択なの、 
大輔ゴメンね、私が一途派タイプでなくって … 私、そうはなれないの」
亜伊火はそんな事を言って、大粒の涙をハラハラと零した。

「亜伊火、もう良いんだよ、亜伊火の気持ちがよくわかったから、
天女のその後の選択は、愛人が一番だと思っているんだね」

「うん」
亜伊火は深く頷いた。

夫の嘘で、すべてを捨ててしまいたい。
しかし子供への愛と過去への未練。
それでこんな選択になってしまうのだろうか?

亜伊火は割に中途半端だなあと思いながら、
大輔はこんな人間臭さのある亜伊火がとてつもなく愛おしくなる。

そしてその瞬間に、大輔に電撃が走る。 
ここで決意するのだ。 

亜伊火と … 絶対に結婚しようと。