男の決意、そして … その結果
大輔は天女を、
『恋愛自由派タイプ』/『現実派タイプ』/『一途派タイプ』の3タイプに分けた。
「そうね、その三つのタイプだわね、それで大輔は … どれだと思うの?」
亜伊火が興味ありそうに聞いて来た。
それに対し、大輔は軽く答える。
「うん、そうだなあ、この天女ね、割にしっかりしてそうだから、
裁判で決着付ける … ケース(2)の現実派かな」
その上に、亜伊火は目を輝かせて聞いて来る。
「そうしたら、私だったら … どのタイプだと思う?」
これは大輔にとって、答は簡単だ。
亜伊火は自由奔放で、いつも言いたい放題。
そして野生の香りまでする。
「亜伊火の場合ね、
新たな恋を求めて、
自由に生きて行くケース(1)の恋愛自由派タイプだろ」
亜伊火はこんな大輔の推察を聞いて、じっと黙っている。
そして一言だけ呟く。
「ふーん … そうなのね」
そしてその後、何を思ったのか、直ぐに話しを変えて来る。
「ねえ大輔、もう帰ろうよ … ちょっとここは寂し過ぎるわ」
確かに、晩秋の北の湖は寂し過ぎる。
「ああそうだね、そうしようか」と大輔は返した。
「大輔、私は天女よ、
今日付き合って上げたのだから、京都へ戻って、丹波まったけの土瓶蒸しでも奢りなさいよ」
亜伊火の言いたい放題が戻って来た。
大輔はそんな亜伊火が好きなのだ。
「じゃあ、しいたけの土瓶蒸しで行きますか」と答えた。
「ホント、あなた、女心がわかってないわね」
亜伊火がまた息巻き出した。
こうして二人は冗談を飛ばしながら、京都へと戻って行くのだった。
作品名:男の決意、そして … その結果 作家名:鮎風 遊