男の決意、そして … その結果
大輔はこんな羽衣伝説を思い出した。
「だけど亜伊火 …
現代社会で言えば、伊香刀美(イカトミ)は若い娘の羽衣を盗んだ窃盗罪と、
若い娘を家へ連れ込んでの監禁罪かな」
大輔はこんな現代風な解釈の話しをしてしまっている。
「大輔、あなた、それはそうだけど、ホント情緒ないわね …
伊香刀美と天女は愛し合い、結婚したのも事実よ、その上に、4人も子供が出来てしまったのよ」
亜伊火は興味津々で盛り上がっている。
「しかしだよ、天女は騙されていたとプッツン来て、親権放棄で家出してしまったんだろ、
天女のその後ね … そうだなあ」
大輔はぶつぶつ言いながら、いろいろと考えを巡らしている。
そして、その後に、
「三つのケースがあるかなあ」と言い、それらを現代風に置き換えて話し始める。
大輔が亜伊火に話した天女のその後の三つのケース、それらは次のようなものだった。
天女のその後は、
ケース (1) :
恋に生きて行く 『恋愛自由派タイプ』
天女はそのまま永遠に家出し続け、他の男を見つけて、
新しい日々を送って行く。
ケース (2) :
何事にも、きっちりと決着を付けて行く 『現実派タイプ』
伊香刀美を裁判に訴えて、慰謝料を請求し、親権を取り戻す。
ケース (3) :
積み上げた愛が捨てられない 『一途派タイプ』
伊香刀美の所に戻って、もう一度やり直す。
作品名:男の決意、そして … その結果 作家名:鮎風 遊