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住めば都 ~整形外科病棟~

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「傷を見せてください」
と言われたので、ナースに手伝って貰って横向きになり、背中の傷を見てもらった。
「はい、大丈夫ですね。きれいですよ」
「はい。ありがとうございます」


「では、少し歩いてみましょうか」
「えっ!!もう歩くのですか!!」
まだ手術が終わって1日。24時間はまだ経っていないのに!!でも、どうやって!?
おしっこの管はまだ外れていないし、背中の傷からはまだまだ止まらない血液を受け取るドレーンが付いている。こんな格好でどうやって歩けるというのだろう。


そういえば、朝一番にメールをくれた友人は、
「今日あたり歩かされると思うよ。最初はフラつくと思うけど、すぐ退院できるから頑張りや。足の痺れはないか」
と書いて送ってきてくれた。

痺れはまだ残っていることを返信すると、
「そうか。痺れは最後まで残る……言うしな。でも、諦めずにリハビリ頑張りや! 時間かかるけど、必ず良くなっていくからね。ただし、慌てて苛々せんことが大事やで」
とアドバイスをくれていた。

 医療現場で働いていて手術をした患者も多く見ている友人のアドバイスや励ましはほんとに心強かった。
『痺れは最後まで残る』……ほんとにそうだった。
『今日あたり歩かされるで』……これも当たり!!
『リハビリ頑張りや。時間かかるけど、必ず良くなっていくから』……この時点ではまだまだ理解できなかった。リハビリで痺れは治るのか、ホンマに。と半信半疑だったのだ。
『苛々せんのが大事やで』……私のあわてんぼで早とちりをするのを良く知っている友人は、釘を刺すのも忘れなかった。

そのメールの文字を読んで苦笑してしまった。
でも、手術が無事に終わったことを喜んでくれたのが嬉しかった。