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５、手術を終えて

「ミヤムラサーン、キコエマスカ〜」
「みやむらさ〜ん、わかりますか〜」

遠くから誰かの声が聞こえる。
『ン？ だれ？ なに？』

目を開ける。う〜ん、なんかぼんやり……目に入ったのは、白い天井。
ん？ 見覚えがあるなぁ、ここは病室？ ……手術室じゃない？

「宮村さん、手術は無事終わりましたよ(^0^)病室に戻ってきましたよ」
と、執刀医の森田先生の声。
ああ、やっぱり病室。手術は終わったのね。成功したのね。生きて戻ってこれた〜！
大げさじゃなくホントにそう思った。
執刀医の先生を信頼してはいたけれど、でも、体の要、腰を触っているんだからとやはり不安はぬぐえなかった。


　手術をしようかどうしようかと迷っている時、
「この手術のリスクにはどんなことが考えられますか？」
と質問した。
腰の神経を触って、もし歩けなくなったら……、車椅子になったらそれこそ職場には戻れない……と思ったから。
先生は、 　
「一番怖いのは感染症ですね。傷口から入ったりしますからね。それに血栓が肺に飛んでしまうと呼吸ができなくなって死亡につながることがあります」
そして、私の不安を見通したように、
「人間ですから手が滑って神経を傷つけるということもあります。現に有名なある病院ではそういうことがありました。しかし、私はまだそんな失敗をしたことありません。手術時間も以前に比べて半分になりましたし」
「年間１００例は手術していますが今までにそんなことはありません。手術ですから何が起こるかわかりません。１００％完璧とは言いません。でもリスクはさっき言ったものが一番怖いです」
と。
その話を聞いて、私はこの先生に手術してもらおうと決めたのだった。
信頼していた通り、早い手術時間で済ませ、出血も少なくしてくれたことに感謝した。