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釣った天使

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堕天使


有頂天のままに過ぎた日々、俺はカナエのことを忘れる日も多くなった。とにかくあちこちの風呂に入っているものだから、カナエとの約束の風呂上がりの儀式もする事もなくなった。

ある日、俺は前日に遊んだ女の子のことを考えながら浴室をでて、浴室の前で待っていたカナエに気付かずに蹴飛ばしてしまった。

ギャッと声がしてカナエは、飛ぶことも出来ず。床をはいつくばるようにして逃げた。
「あぶないなあ、そんな所にいて」と俺が、謝りもしないで言ったものだから、カナエはふくれてれて、そっぽを向いてしまった。

俺は、そのままベッドに入り、女の子に電話をしてイチャイチャしていた。
ガチャ、パーンと台所で物音がして、俺は様子を見に行った。

飲みかけて忘れていたワイングラスと皿が床に落ちて割れている。
「あーあ」と言ったところで、目の前をカナエが走りながらどこかへ逃げていった。ちらっと見えた後ろ姿はチンパンジーのようであった。

俺は足を怪我しないように注意しながら、かけらを集め、あとは掃除機を出して吸い込んだ。
「まったく、カナエは」とブツブツ言いながら掃除機をしまった。

カナエは、何事も無かったようにソファの上で、バナナを食べていた。また一回り大きくなっている。

俺はカナエを蹴飛ばしてしまったことを、詫びようかと思ってカナエの方をを見た。

こちらの様子を伺っていたカナエは、俺が顔を向けるとプイと横を向いた。
「下級天使め」と俺は、呟いてベッドに向かった。
作品名:釣った天使 作家名:伊達梁川