小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

カナダの自然に魅せられて  ~リスを探して10日間~ (1)

INDEX|8ページ/18ページ|

次のページ前のページ
 

4、二日目の朝




バンクーバー二日目の朝。ホテルの電話が鳴った。飛び起きた。

「Hello!」……ここはいっぱしの英語で姉が電話に出る。


「え!? 今何時!?」
と驚く姉。
「え~!!10時!! えらいこっちゃ!!」
(なんで、日本語?… あ、美月からか…)

え!美月!!
私もビックリして目が覚めた。

………10時は美月と約束した時間だ~(^^;)

時差ぼけからか、それとも荷物が無事に届いたからか、姉も私もぐっすり寝てしまったようだ。(昨日は無茶苦茶神経使ったもんな仕方ないよな…)と、優しい声がどこかから聞こえる。

美月は、待ち合わせ時間を1時間遅らせてくれた。私たちは大慌てで支度をして、ホテルを飛び出した。もちろん、朝食など摂ってる時間はない。姉は普段から朝食を食べないから平気なのだが、私は違う…(^^;)朝ご飯は必ず食べないと昼まで持たない仕事なのだ。ガマンできる自信はない。それでも、美月を怒らせては、これから先の旅行が思いやられるので、朝ごはんはガマンした。


前の晩、
「朝ごはん、どうする~?」
「1階の喫茶店でモーニングを食べようか。」
などと暢気に話していたことなどすっ飛んでしまった。

姉は、超スリム。身長は私より低い。体重も私より○○キロ軽い。いくら食べても太らない父親譲りのタイプ。逆に私は体脂肪○○%。いつも。「あなたは肥満です。」と器械が教えてくれる。『そんなんわざわざ言ってもらわなくてもわかってるわ!!(プンプン)』と、いつも体重計に毒づいている私は母親譲り、水を飲んでも太るタイプだ。体型も性格も顔の造りも血液型も全く姉とは正反対。

そのせいだろうか、子どもの頃は本当によく姉妹けんかをした…というより、妹の私がいつもいじめられていた。仲良くなったのは、二十歳を過ぎてからだろうか。

余談が続くが、バンクーバーのメインストリートに、「蒸気時計」と言うものがある。時間が来ると、
「ボーッ!」「シュー!!」
と、蒸気機関車のごとく、蒸気をあげながら時を知らせる時計が、観光ポイントにもなっている。初日にここを訪れた私たちは、ご他聞にもれず記念撮影。ハイ、チーズ!

カナダに来て、初めて撮った姉との記念写真。しかし、一目見て、ゲンナリ…(^^; 

写真に並んだ二人はあまりに対照的であった。姉と並ぶと私のデブ加減がより一層際立つ。並んで写すなどということは、ここ何年もなかったことだったから…。
先に予想できていたら、一緒になんか写さなかったのに…。
心密かに、
『もう、お姉ちゃんと並んで撮るのはやめよう』
と、固く誓ったのであった。こんなに、差をつけてしまった神様が恨めしい~~~。

二人は、バタバタバタと慌しく支度をして、待ち合わせ場所の銀行へと向かった。
なぜ銀行が待ち合わせ場所なのか…。それは、ホテルから一直線の場所にあって、私たちも大丈夫!行ける!!と思ったからだ。
それに、私たちはまだカナダドルに両替していなかった。銀行でカナダドルに両替してから、美月のよく知っているバンクーバーのデパートでお土産を先に買っておくと言う、今日の予定だった。

しかし、カナダドルのややこしいこと、ややこしいこと…。ガイドブックを見ながら一生懸命覚えたが、覚えられない。私や姉が財布を開けてモタモタしていると、美月が財布に手を突っ込んで、レジにコインを並べていく。早くしないと後ろのお客さんに迷惑がかかるからと。
自分で買い物するときは、速くすますために、紙幣を出す。そうすると速いのだが、お釣りのコインばかりで財布がどんどん重くなってしまう。お金に慣れると言うのは現地の生活では大事なことなんだなぁ。

もう一つ慣れなかったのは、お金の価値。日本の価格と比べて安いのか高いのかパッと見ただけではわからなかったこと。この頃のレートが85円~90円だったから、大雑把に1ドル100円で計算して、そのものの価値が高いか安いかと比較して早く感覚をつかむようにした。お土産を選ぶのも買い物も難しいものなんだなぁ。