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カナダの自然に魅せられて  ~リスを探して10日間~ (1)

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英語は話せないけど、インフォメイションに言わなくちゃ…。
でも、なんて言えばいいん?…泣きたくなってきた。

出口に迎えに来ているであろう姪の美月の携帯に電話した。


何ということか!
まだ空港行きの電車の中だという。係りの人に話をしてもらおうと思ったのに…。
通訳が無理だとしたら、自力で何とかしないとダメではないか!!
こりゃ、最初から試練だ!!

覚悟を決めて、U航空会社のカウンターに行ってみた。
誰もいない。
え~!!どういうこと!?

自分の会社の便が着いて、荷物を引き取る時間はわかっているはずなのに、何で誰もいないん!?

しばらく待ったが誰も出てこない。

仕方がないから、またインフォメイションへ行って尋ねた。やっぱりU航空会社のカウンターに行くしかなかった。


今度はおじさんが一人いた。

「my スーツケースが出てこないんです。」
「?*!#&#*+」」

さっぱりわからない。
「わからへん。」
わからへんという英語さえ咄嗟には出てこない。情けない、(シクシク)

わからないところは全部日本語で言っていたから、おじさんも困ったのだろう、大きな声で、
「誰か日本語がしゃべれる人はいるか~!!」
と、周りを見渡しながら大声で言った。(多分、そう言っていたと思う)


ラッキーなことに、一人「はい」と手を上げて、隣の航空会社のカウンターから出てきてくれた。その青年は、日本人ではなく中国人のようであった。通訳を買って出てくれた親切な人だ。日本人じゃなくても日本語がわかるとなると、ホッとした。そして、今まで不安に思っていたことを一気に早口でしゃべってしまった。

しかし、向こうはゆっくりと尋ねてくれる。(あ、アカン、アカン)私もゆっくり話すことにした。

どこから来たか、乗り継ぎはどこか、スーツケースの色は、材質は、おじさんとの会話のうち、ここまでは私にも理解できた。
「成田から」「サンフランシスコで乗りついで」「スーツケースの色は赤」「材質はメタリック」……

この次からわからなくなる…

「今日泊まるホテルは?」と通訳の青年。
「えっ?!ホテル!!」
(あ、しまった!姉に全部まかせっきりで、泊まるホテルの名前も聞いてないわ…タラ~ッ、汗が出てきた。最近は携帯電話があるから、国内で一人泊まるときも家族にはホテルの名前なんか言って出てこないし、家族が泊まるときも聞かないようになってしまっていた)

ちょうどそのとき、美月がもう到着してはいないかと出口まで見に行っていた姉が戻ってきた。

「お姉ちゃん、お姉ちゃん、早く~、今日のホテルの名前と電話番号教えて!!」
姉も、慌ててバッグからメモを取り出して、告げてくれた。通訳してくれた他社の青年は、
「今日の夜になりますが、荷物はホテルまで届けます。」
と。
「え~夜!?」
(2~3時間のうちにはと思ってた自分が甘かった。大陸は大きいんや!!)

係のおじさんの携帯番号と私の携帯番号を交換して、ここは何とか終えた。
通訳してくれた青年は親切にも出口まで送ってくれた。

「お世話になりました。ありがとうございます。」
と言っておじぎをすると、青年もにこっと笑ってくれた。
爽やかな青年だった。