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カナダの自然に魅せられて  ~リスを探して10日間~ (1)

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1、バンクーバーにて

  

カナダの旅は、ロストバゲージから始まった。


姪の美月が1年前の夏からバンクーバーに住んでいる。
1年という約束だったから、その1年が終わる前にカナダへ行こう!
美月を通訳にして、カナダを楽しもう!
と、美月の母、つまり私の姉と相談したのは半年前の冬。

ワーキングホリデーで渡ったカナダで、美月も旅らしい旅はまだしていないとのこと。
そこで、一緒に行ってくれることになったのだ。

通訳だけでなく、ツアーを組まなかったので旅行日程、飛行機の手配、ホテルの手配、鉄道の手配等々、カナダ国内のことは全部美月にやってもらった。

私たちがしたのはカナダまでの往復チケットを取ることだけだった。

美月がバンクーバーで待ってくれているので、カナダに入国するまでは、姉と二人だけの旅。
しかも英語が話せない二人ときている。非常に心細い。
今から思えば無謀すぎたかも。


経由地サンフランシスコでのドキドキの入国審査を無事終えた。(審査官と能天気なおばさんとのやり取りもドタバタのお笑いだった。今、思い出しても赤面…)
心配していた2時間しかない乗り継ぎも無事クリア。


そしてお昼過ぎ、バンクーバーに到着!
とうとうやってきたのだ!カナダに!!

国際線到着ゲートに飾られたトーテムポール、木をくりぬいて作ったカヌー、木彫りのお面やタペストリーが私たちを歓迎してくれる。


『やっと着いた!!これから楽しいカナダの旅が始まる~♪ここからは美月がいるからもう安心^^』
と足取りも軽く、ルンルン気分で荷物を受け取りに行った。


荷物が出てくるまでにはまだ時間もあるだろうからと、トイレで用を済ませてから、の~んびりと引き取り場所に行った。

ターンテーブルに乗って、いろいろな色や大きさの荷物が次々と回ってきた。
似た色、似た形はあった。

「あ、出てきた。」
「ちがう。」
「あ、来た来た!」
「ベルトの色が違う…」

サンフランシスコで乗り継ぎ便に無事見送った筈の荷物がなかなか出てこない。まだかまだかと見ているのに、ターンテーブルの上は荷物もまばらに…。
そしてやがて荷物がなくなり…、
荷物を待つ人もいなくなり…、
ターンテーブルはプツンと…

止まってしまった!!


「ええ~????? 何?」
何が起きたのかさっぱりわからない。
『なんで、私のスーツケースは出てこうへんのン?』

しばらくしたらまた動き始めて荷物が乗ってくるかのように、私たちは待ち続けた。

でも、一向に出てこず、その時になって、やっと状況がわかってきた。

これがよく言われる「ロストバゲージ!!」

『何で、私なん?』

ロストバゲージに遭ってしまった友人の話を聞いていた時は、
『へえ~大変やったんやね。』
と半ば笑い話にしながら聞いていたのに…、
まさか私の身に降りかかってこようとは…。
海外旅行はまだ2回目だというのに…。


さて、どうするか……。