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カナダの自然に魅せられて  ~リスを探して10日間~ (1)

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ここで、買い物を切り上げて、ホテルに向かうことにした。時間はすでにお昼12時を過ぎている。船長さんとの待ち合わせは13時。ホテルまで迎えに来てくれるという。

お腹はペコペコ。朝から何も食べていない…。でも、レストランでゆっくり食事する時間は到底取れない。

美月はこれまたスタスタと歩いて、スターバックスのようなコーヒーショップに入って行った。
「ああ、ここで軽く食べるのね。」
と思った。

好きなパンを選んでと言うので、私はマフィンにした。それとカフェラテを注文。
テーブルを探したが、生憎満席。

しかし、美月は店内には目もくれず、これまたスタスタと店の外に出た。(かなりイライラしているようだ。)
私たちも慌てて付いて出た。右手にコーヒー、左手にパンを持って。

こんな恰好でホテルまで帰るのかと思ったら、ビックリ!!
美月は歩きながらパンを食べ、コーヒーを飲んでいる。

「え~、そんなお行儀の悪いことするん!!」
「だって、時間ないやん!」

空腹には勝てない。
昨夜、美月の手料理を食べて以来、半日以上お腹に何も入れていないのだ!!
それに、せっかく迎えに来てくれる船長さんを待たせるわけにはいかない…。

エ~イ!! 旅の恥は掻き捨てだ~!!

とばかりに、美月の真似をして歩きながら食べることにした。(お母さん、ごめんなさい。)
コーヒーだって、歩きながら飲む。
コーヒーの紙コップの蓋の突起部を口に当てて飲むとこぼれないということを美月が教えてくれた。
へえ~。こんなこと今まで知らなかったよ~。

「え~!?この穴ってここから飲むためのものなん?!知らんかったわ。」
と感心した。歩きながら飲むと言うことがはじめから想定されていたのだなんて!!

そして、そんな風に飲んでみた。
なるほど、いい具合にこぼれずに飲めた。初体験成功(^0^)v

店を出て街を行き交う人たちをよーく見ると、あらまあ、大きな紙コップを抱えて歩きながら飲んでいる人がチラホラみえるではないか・・・!
ここはカナダ!これは普通のことなのかぁ…。

コーヒーは飲み口からこぼさずに飲めた。
でも左手に持ったマフィンはポロポロとこぼれやすく、歩道を汚してしまった。…これもごめんなさい。
お皿に乗っているマフィンもポロポロになりやすいのに、これを選んだのは失敗!
そこで、信号で止まっている間に急いで食べた。

こんな風だったからよく味わえなかったが、このコーヒーショップには、コーヒーの上にクリームでササーっと絵を描いてくれる女性がいた。
日本人のようだった。とても上手だった。何か特技を持っていると、いろんなところで生かせるんだなぁと感心した。
私に描いてくれた絵はミッキーマウスのかわいい顔だった。
いっそう美味しく感じた。

カナダでは、バンクーバーオリンピックの頃、このクリームで絵を描くコンクールがあったらしく、そこで優勝したのが日本人の女の子だったと教えてくれた。
もしかしたら、今、ササーっと上手に描いてくれた彼女だったのかも知れない。
ニコっとしながら描いてくれた感じのいい若い女の子だったなぁ。


それにしてもところ変われば…。様々なことが体験できる。おもしろいものだ。