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日出づる国 続編

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 信濃の高原には野生馬が多い。
 蝦夷は馬術にも熟達しており、夢兎は野生馬を捕らえる作戦に出た。

 シロが吠えながら群れの中に入って行くと、草を食んでいた馬たちは逃げ惑う。その中から足の強さと性格を見極めて目星を付ける。
 子連れの馬を棒で指し示すと、アカが追いかけ、シロも加わって母馬を挟み撃ちするようにして山裾に追いやる。
 その間に夢兎はまごついている若い馬に静かに近づくと、餌を見せ、ドウドウと声をかけながら、たてがみに触れることで落ち着かせた。
 そして若い馬を伴って母馬のそばへ行くと、双方安心して共に落ち着き、鼻面をこすり合わせるのだ。その間に母馬の首に縄を取り付ける。
 
 夢兎は母馬に跨り、しばらく高原を走りまわって調教した。母馬に教え込めば、子ども馬は追随してくる。
 裸馬に乗るのは難しいが、夢兎は前に陽を乗せ、馬のたてがみを持って走った。
 小柄な嘉香は馬に乗ったことはなかったが、若い馬に跨って走った。
 脇をシロとアカが固め、まっすぐ母馬の行く道を取らせた。
 
 馬を手に入れたことで行程は楽になり、雪が降り始めた頃に出羽の羽前に入った。


 羽前酒田の港には、朝鮮からの船がしばしば訪れる。目印となる鳥海山は海上遠くからでもよく見えた。良い港が多くあった。

 嘉香は船を始めて見、大和にも劣らぬほどの繁栄ぶりに目を瞠った。
 この地の豪族は蝦夷たちの地の支配権を得ることよりも、お互いを尊重し、お互いの文化を侵すことなく共に繁栄することを選択していた。

 嘉香は鳥海山の麓にある、日の宮で、神官となっている物部那加世と再会を果たし、さらに北方の羽後は『阿仁』にたどり着いた。

 阿仁の蝦夷はクマ猟を生活の中心とし、熊の毛皮や肝胆を酒田で他の物資と交換していた。
 また近くには、鉄・金銀などの鉱物資源が豊富にあった。
作品名:日出づる国 続編 作家名:健忘真実