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郷田三郎(G3)
郷田三郎(G3)
novelistID. 29622
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神々と悪魔の宴 ⑥<透明人間>

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 あれは透明人間になるクスリに違いない。
 いや、もしかすると出来そこないの麻薬か毒薬のようなモノで、副作用か何かで人間の身体を見えなくしてしまうとか……。

「フフフ……」
 オレは大声で笑いそうになるのをこらえた。
 この身体を手に入れたオレは言ってみればある意味スーパーマンだ。
 いや、姿を現さずに活躍するならむしろバットマンに近いか?

 正義の味方になって悪いやつらを懲らしめるのも、反対にこの身体を使って悪の限りを尽くすのも思いのままだ。
 いやいや、取りあえずは、あんなことや、そんなことだってやってみないテは無いだろう……。

 そんな事を考えながらオレはできるだけ音を立てない様に歩き駅を離れた。

 駅の外にはガラの悪そうな若者達が地べたに座って喋っている。
 歩道一杯に広がって座っていて他人が近づいても道を空けようともしない。
 オレはイタズラ心がムクムクと頭をもたげてきてついにある行動にでた。
 もちろん自分の身体が向うから見えないと知っているからできる事だ。

 オレは輪になっている若者の一人の後ろに近づき。

 パン!!

 思いっきり頭を引っ叩いた。
「イテェなこの野郎!」
 殴られた若者は問答無用で隣の男の顔面を殴りつける。
「オイ、何やってんだよぉ!」
 周りの連中がその二人に注視していると、今度は別の方向から近づいて違う男のコーヒーの缶を反対側に座っている別の若者に投げつけた。