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郷田三郎(G3)
郷田三郎(G3)
novelistID. 29622
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神々と悪魔の宴 ④<野球の神様>

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 そして何の武器も持たないZ学園高校野球部の初めての甲子園は七回コールド負けと言う不名誉な記録を作って幕を閉じたのである。


 控え室へ戻る通路で、学園長に散々に絞られながらK監督は重い足取りで控え室に戻った。

 ドアを開けると、いきなり主将のS君が監督に詰め寄る。
「ヒドイじゃないですか監督! あの人たちに聞きました! おかしいとは思ってたけど、ボク達はそんな卑怯な手を使ってまで勝ちたいなんて思っていません。これじゃ、決勝で敗れた彼らに申し訳が無い……」
 主将は涙ぐんでいた。いや、他のナインもうっすらと目に涙を浮かべていたのだった。

 そして部屋の奥には、あの野球の神様が二人の老人の姿をして立っていた……。

 そのうちの一人、顔は同じだがやけに汚れてボロくなった衣の方がずいと進み出るや……。
「このバカモノがぁ! 神聖なこの甲子園でインチキな手を使って勝とうなどとは、八百万の神々が許そうとも、このワシが断じて許さん!
 昨日の試合が長引いたので、今日は少々寝坊をしたが、まったく油断も隙も有りゃせんわ!!」

 汚らしい衣の割に元気はつらつな野球の神はそう言うと、持っていた杖の柄でK監督と学園長の頭をゴツンと叩いた。

「アイタタタ……。確かに仰るとおりですが、ひどいですよ、あの三種の神器を授けてくれたのは貴方じゃないですかぁ?」
 監督はさわやかな激痛に頭を押さえつつ反論する。