神々と悪魔の宴 ④<野球の神様>
「いや~、すまんスマン、あの時お前達に道具を授けたのはワシの方じゃ。あんまりさい銭を弾むのでてっきりワシの担当かと思ったのじゃナ。あはははは。」
それまで後ろの方で、居辛そうにしていたもう一人の野球の神。
キレイな衣の方が頭に手をやり、照れ笑いを浮かべながら宣うた。
「実はな、ワシはプロ野球の神なのじゃヨ。
プロはのう、高校野球には口出し出来んのじゃ、協約でな、ははは」
そしてK監督の目の前では、高校野球の神様が、その土ぼこりで誇らしげに汚れた衣をパンと叩き、監督と学園長を睨みつけたのである。
おわり
03.08.18
№049
作品名:神々と悪魔の宴 ④<野球の神様> 作家名:郷田三郎(G3)