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神社奇譚 2-0 神の子

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今日は赤ちゃんの初宮詣りが神事にて執り行われまして、
おめでとうございます。
ところで、おまえさんたち。
神社の世界では、ひとつ不思議な見方をするものでな。
この際、よく覚えておいていただきたい。
いま、まだ、この赤ん坊は、あなた方夫婦のお子さんではないのだ。
この子は、七五三が済むまでは、あなた方の子供ではない。
誰の子かって?
神様の子なんだよ。

いいかい。この子は“出来たはれた”で出来たものじゃない。
まして「勝手に出来た」のでも「失敗して出来た」のでもない。
神様が、あなたがたご夫婦の間に、お授けになったのだ。
だから、大切に、大切に、育てなければならない。
いままで、あなた方の生活とは、
おそらく180度ちがうものをもたらすだろう。
生活の全ての場面で主役は赤ちゃんだ。
朝も昼も夜も無い。お金の感覚なんて関係ない。
人の都合?親の都合?全く関係ない。
時には、あなた方ご夫婦を苛立たせることもあるかも知れない。
ときには、疲れたとき等にはとくに・・。
ふと、愛せなくなってしまうかもしれない。

だけれども、そういうときには思い出して欲しいのよ。
この子は神様の子である、ということを。
地域の宝であり、そして国の宝であるということを。

だから、愛し続けねばならない。
だから、立派に育て上げなければならない。
昔、子供の犠牲になりたくないなんていう人もいたけど。
犠牲になりなさい。
そのことで、いずれはあなたが幸せになるのだから。
あなたがたの親御さんがしてくれたように犠牲にもなりなさい。
そうして永遠に家族が繋がっていくのだから。
作品名:神社奇譚 2-0 神の子 作家名:平岩隆