神社奇譚 2-0 神の子
少子高齢化が進み赤ん坊が少なくなると、不思議なものでお供が増える。
両親の両親、つまり祖父祖母が二人づつ来ても7名。
そのうえ兄弟、親戚など大挙してやって来ると・・。
赤ん坊一人のお宮詣りに車4台。などというケースが意外とザラで。
小さな狭い神社の駐車場等はすぐにいっぱいになってしまう。
それでも、まだいいほうで、和気藹々とした雰囲気に包まれているのだが
いろいろな影響もあって夫婦の間の最初の赤ん坊であるにもかかわらず
祖父母が来られないことも在る。人生いろいろ、山もあれば谷もある。
わけもあれば、訳の分からないこともある。
親元から遠く離れて生活している夫婦なのかもしれない。
親の反対を押し切った強い愛情の絆で結ばれた結婚だったのかもしれない。
いや只単に、当世はやりの「できちゃった」婚であるのかもしれない。
いずれにしろ、どんな赤ん坊が来ようと。
神社は祝福し、神々に両親の思いを伝えることしかしない。
そして、宮司はある日、式を終えてこんなことをいいだした。
作品名:神社奇譚 2-0 神の子 作家名:平岩隆