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神社奇譚 2-0 神の子

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私はひょんなことから神社の役員になった。

我が神社の主祭神が、女神であり、子孫繁栄の神と云うこともあって
「初宮詣り」という祭りが元々多い神社ではあるのだが
宮司は我々役員、とりわけ手伝いを買って出た私には
決して御手盛りな感じでお祭りをしてはならない。
毎度毎度が、新たなお祭りとして、誠実にお受けして勤めなければならない。
と、口やかましく云う。

あぁ確かに緊張感を維持してお祭りを行なわなければならない、と思うのだが
ヨシと思えばこそ、いろいろと「改善」を図ろうとするのであるが。
お参りの帰りにはお札と授与品をお渡しするのだが
持ちにくかろう紙袋でもつけてやろうと、神社の名をつけた紙袋を用意すると
不思議なもので、最初の子の初宮詣りに来て、
二人めのお子さんの初宮詣りに来られた親御さんの中には
「いやぁ風呂敷を持ってまいりました」と云われたりもする。
なかなか、難しいもので。
作品名:神社奇譚 2-0 神の子 作家名:平岩隆