Lv1 (仮)
闇。
暗。
黒。
赤。
叫。
悲。
怖。
恐。
恨。
憎。
血。
臓。
腑。
それ以外、何もない。
それらが、何もかもを埋め尽くして。
何もかも、塗りつぶして。
光など、存在しないようで。
あまりにそれらは深すぎて。
ただただ、泣き叫んだ。
「おい、起きろ」
「目を覚ませ」
「生きているんだろう?」
「この先、北に行けば国境にでる」
「コンパスは、ここに置いていく」
「分かったな?」
「絶対に……生きろ」
太陽が、目を焼いた。
一旦閉じ、もう一度、恐る恐る目を開く。
そこには、汚れ一つ無い青空と、血で真っ赤に汚れた大地が広がっていた。
記憶は、途切れ途切れにしかない。
近くに、古びた、それでもきれいなコンパスが置いてあった。
思考回路は、単純にしか回らなかった。
だから、血に汚れた大地と、己の体を見ても、ただ冷静でいられた。
そして、やけに澄んでいた。
この有様を見て、どこかがすぐに理解し、それを直接、思考の中にぶち込んだ。
ああ、これは、俺がやったんだ。
気づいた。
気づいた。
気づいた。
喉が嗄れるほど、叫んだ。
~第一章・終~