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神社寄譚 1-1 藁人形

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ところが今度は母親がね。
突然奇声を上げるようになって。
ひとりじゃ放って置けなくて。
すぐ裏には住んでいたんだけど
私、女房と息子と同居するようになったらね。

母親が女房に鎌で斬りかかる事があって。
もの静かだった母が発狂していくさまが
私には堪えられなかった。
そして親父と同じようにガレージに閉じ込めておくより無かった。

ボケるとか云うんじゃないな。
何かに憑かれるという感じだったのかもしれない。
誰に対してもおぞましい悪態をつき罵声を浴びせる姿は
畜生にも劣るような・・いや・・自分の母親ですよ。

で、あの日、私は携帯で呼び出されて
会社から急いで帰宅するとガレージから
どうやって抜け出したのか母親が幼い私の息子を抱いていたんですわ
片手に鎌を持って。座敷に座ってあやしていたんです。
その場はなんとか納めて、鎌を取り上げて、ガレージに行かせたんですが。

その日のうちに私の息子が変なコト云い始めましてね。
忘れもしないですよ。小学校上がる前の子供が。
「このうちのヤツは皆狂って死ぬんだ!」って笑うんですよ。
まるで母親の病がまるで感染したように。
それで一週間もしないうちに、国道に走って出て行って車に轢かれて。

それを伝えると、私の母は・・笑っていた。
「ざまあみやがれ!次はおまえたちだ!」と。
さすがに私も堪え切れなくなった。
暴力に及んでしまいました。
作品名:神社寄譚 1-1 藁人形 作家名:平岩隆