小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」
HIRO サイトー
HIRO サイトー
novelistID. 21857
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

ダヴィンチコード イン ジャパン

INDEX|38ページ/39ページ|

次のページ前のページ
 

 「会見場に入りきれないほどの人数になる。」と説明した。

 木村は、「分かりました。」と言って、帽子を脱ぎ防弾チョッキを取りながら、緊張した表情
を見せた。

 

  
10
月3日 午後3時

 記者会見場はテレビカメラも入っていて、超満員であった。

 いよいよ記者会見が始まる。

 まず佐山が、「イエスキリストに関する新事実が明らかになりました。」、

 「木村孝さんより説明があります。」、

 「木村さんのプロフィールはお配りしたプレスリリースにあります。」、

 「プレスリリースに沿って説明いたしますので、見ながら聞いてください。」、

 「あとで質問の時間を取ります、こちらから指名しますので、質問のある方は手を挙げてく
ださい。」、

 「社名と氏名を言った後で、質問してください。」、

 「宜しくお願いいたします、それでは木村さんどうぞ始めてください。」と言った。



 木村は会場の中を見渡した。

 記者達の鋭い目がこちらを見ている。

 木村はその目に臆せずに、説明を始める。

 「まず、資料にあるモナリザを見てください。」、

 「頭の右上に下北半島が描かれています。」、

    モナリザの頭の右上                             
                             リッタの聖母

  





  ブノワの聖母



 
ブノワの聖母の裏返し



 「僕はモナリザの写真から、偶然この事実を発見しました。」、

 「それからエルミタージュ美術館にある2つの聖母の絵を見たとき、」、「そこにも下北半島が
描かれているのに気付きました。」、

 「ブノワの聖母を裏返しにして、リッタの聖母の上に重ねるとぴったり合う、それが下北半
島の形になります。」、

 「レオナルド・ダヴィンチは、キリストが青森に行ったことを知っていた。」、

 「その事実を3枚の絵に託したのです。」、

 「ゴルゴダの丘で処刑されたキリストは、3日後に復活した。」、

 「その後、ローマが西暦313年にキリスト教を解禁するまで、青森に滞在した。」、

 「滞在した場所は亀ヶ岡遺跡です。」、

 「時代もぴったり合います。」、

 「キリストが移動した後には、

いつもラーメンのマークが残る。」、

           

            


               亀ヶ岡のラーメンマーク



 「ラーメンマークから見てもこの事実は間違えない。」、

 「このことを書いた竹内古文書によると、名前はイスキリス・クリスマスだったらしい。」、

 「キリストが青森にいた証拠として、」、

 「ダヴィンチの3枚の絵。」、

 「亀ヶ岡遺跡のあるラーメンマーク。」、

 「竹内古文書。」、

 「この3つの動かぬ証拠から、キリストが青森にいたことを立証できます。」、

 「これは学説ではなく、事実なのです。」と説明した。

 佐山が、「ここまでで何かご質問のある方は手を上げてください。」と言うと、
 

 
10
人ほどが我先にと手を挙げた。

 佐山は慣例に従い、警視庁記者グラブの人から指名をした。

 指名された記者は、「私は毎朝新聞の前田です。成田事件はあなたを狙ったと言われていま
すがそれは事実ですか。」と聞いた。

 木村は、「私は成田事件には関与していません。興味のある方は警察に聞いてください。」と
えた。続いて、「私は毎日タイムズの小林です。成田事件にフリーメイソンという団体が、関
与したという噂があるのですがあなたは知っておりますか。」と聞いた。

 木村は不機嫌そうに、「さっき話した通り、私は成田事件に関与していません。」と答えた。

続いて、「私は週間毎週の内藤です。成田事件の裏にKGBが関与したという話がありまがど



うですか、それと暁ジョーという名前を知っていますか。」と聞いた。

 木村があきれて無言になると、

 内藤は、「否定しない、これは事実なのですね。やっぱりあなたは暁ジョーに狙われたので
すね。」と念を押した。

 木村は内藤の質問に答えなかった。

 テレビはその様子を興味深げに撮影している。

 続いて、「私は夕刊日本の大島です、安東コンサルタントという会社がある。この会社が事
件を仕組んだという話がありますがどうですか。」と聞いた。

 木村は、「分かりません。」と答えた。

 更に、「あなたは青森で暁ジョーに撃たれたのではないですか。ちゃんと証人もいますよ。」
と言った。

 木村はその質問にも答えず、佐山に終わりにしたいと目配せをした。

 佐山はそれを見て、「そろそろ時間なので終わりにします。」と言った。

 それを聞いて、木村に記者が一斉に駆け寄る、

 テレビカメラも木村を追って迫ってくる、

 木村は身動きが取れなくなってしまった、

 宮川が警察官を伴って、そこに割って入る、

 木村は両脇を警察官に守られ、何とか脱出できた。



 やっと別室に逃げ込み、

 宮川に、「警部、マスコミというのはあんなものなのですかね。」、

 「真実を追究しようという姿勢が全くない。自分たちのことしか考えていない。」と言った。

 宮川は微笑みながら、「まあそんなものだよ、彼らは新聞が売れればいいのだよ。」と言った。

 木村ががっかりしたような顔をすると、

 宮川は、「木村さん、がっかりするなよ。彼らはあれで強大な力を持っているのだよ。」、

 「もう君を狙う奴はいない。」、

 「何故なら、君を狙えばマスコミがすべて敵に廻るからだよ。」、

 「今のやくざはマスコミを敵に廻してはやっていけない。」、

 「僕の仕事は終わった。」、

 「もう家へ帰っても大丈夫だ。」、

 「君は大スターになった。」、

 「これからはマスコミに追いかけられるぞ。」と言った。

 木村が、「警部、ちゃかさないでください。」と言うと、

 宮川は、「ちゃかしてないよ、本当のことを言っただけだよ。」と答えた。

 続けて宮川は、「ここを出たらもうあかの他人だ。」、

 「ナターシャさんにも、当分会わない方がいい。」、

 「彼女は名前が出てないので、君と会ったことが分かると危険が及ぶ。」、



 「秘密裏にロシアに帰国できるよう手配してある。」と言った。

 その時木村は、ナターシャとの思い出は心にしまい、桃子ために生きる決心をした。

 しばらくして宮川が、「もう記者連中も引き揚げた頃だろう、家まで送ろう。」と言うと、

 木村は、「警部、大変な世話になりました。どんなにお礼を言っても足らない程です。警部
のことは一生心にしまっておきます。」と言った。

 宮川は笑顔で、「これが俺の仕事なのだよ。」と言って、部屋の外まで木村を送って出た。

 二人は固い握手を交わし別れた。

 木村は帰りの車の中で桃子に電話をする。そして、「桃子ごめん、大変な事件に巻き込まれ
連絡が出来なかった。」と言うと、