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ダヴィンチコード イン ジャパン

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月3日午後3時に、警視庁の記者会見場で行いたいのだが、」と言うと、

 木村は、「了解いたしました。」と答えた。

 宮川が木村に、「プレスリリースを作る必要がありますか。」と聞くと、

 木村は、「自分のパソコンで作ります、必要数の出力を作っていただけないでしょうか。」と
答えた。

 宮川が、「分かりました、前日までにMOかCDRで警備の警察官に渡してください。」と言
うと、



 木村は、「了解いたしました、前日までにCDRに焼いて警備の警察官に渡します。」と言った。

 宮川はその後で、「
10
月3日 午後1時に迎えの車を用意する。ナターシャさんは危険が及
ばないよう、記者の前には顔を出さないで欲しい。」と言い、「リガチョフさんとKGBの話も、
機密事項なので記者会見では伏せて欲しい。」と言い加えた。

 木村は、「分かりました。」と答えた。その後宮川は、木村、ナターシャと握手を交わし部屋
を出て行った。

 それから木村はプレスリリース作りに取り掛かる。

 そして記者会見前日の午後までに、CDRに焼き警備の警察官に渡した。

  
10
月2日 午後6時

 木村がプレスリリースを仕上げ、部屋でくつろいでいるとナターシャが部屋に来て、「プレ
スリリースはもう出来上がりましたか。」と聞いた。

 木村は、「苦労したが、もう出来ました。」と答えた。

 ナターシャは、「それは良かった、今日はゆっくり出来ますね。」と言った。続けて、「佐山
さんは明日の準備で、今日戻らないそうです。」、「一緒に夕食を食べましょう。」と言った。

 木村が、「ダー(はい)。」と答えると、ナターシャは廊下に出て、自分の食事を木村の部屋に持っ
てくるよう看護士に頼んだ。しばらくすると、ごはん、味噌汁、サラダ、肉じゃがという病院



の食事が運ばれてきた。

 ナターシャは食事をアルミのお盆からテーブルの上に並べ、そのテーブルに椅子を向かい合
わせに置いた。そして、持ってきた紙袋の中からワインを出し、テーブルの上に置いく。

 それから二人は、椅子に腰掛けた。

 ナターシャがワインのキャップを廻して開け、木村のコップに注いだ。

 そして自分のコップにも注ぎ、二人は、「ザナス。」と乾杯を始めた。

 木村が肉じゃがを口にしてワインを飲みながら、「病院はアルコール禁止なのに、よく手に
入りましたね。」と聞くと、

 ナターシャは、「内緒で、佐山さんに持ってきてもらいました。」と答えた。

 木村が、「いよいよ明日、歴史的発表をする。」と緊張した表情で言うと、ナターシャは、「が
んばってね。」と励ました。

 木村が、「ここまで来れたものナターシャさんのお蔭です。」と言うと、ナターシャはサラダ
を食べながら、「私は運命的なものを感じています。」と答えた。

 木村は味噌汁を少し飲んで、「アストリアホテルで、ナターシャさんがスープを飲むのを止
めてくれなければ僕は死んでいた。命の恩人です。」と言った。

 ナターシャはワインを飲みごはんを食べながら、「あの時、絶対にスープに何か入っている
と感じたの、理由は良く分からないが、確信を持って感じたの。」と言った。

 木村もワインを飲みながら、「その感覚、僕にもよく分かる、キリストの姿を見ることがで



きたのは僕たちだけだった。」と言い、続けて、「やはり、運命的出会いなのかもしれない。」
と言い加えた

 ナターシャは少し難しそうな顔をしたが、桃子の名前は口に出さなかった。

 その時、ドアのノックされる音が聞こえる。

 木村がドアを開けると看護士が、「食事は終わりましたか。」と聞いた。

 木村が、「まだ終わっておりません。」と答えると、

 看護士は、「食事が終わったら、食器を廊下の棚の上にのせて置いてください。」と言って出
て行った。

 その時、ホタルの光が流れる。

 午後8時で病院の面接時間が終わったしるしだった。

 木村とナターシャはそれを無視して話を続ける。

 ナターシャが、「木村さん、もう胸の痛みはないですか。」と聞くと、

 木村は、「まだ少し痛みはあるが、コルセットがあるので大丈夫です。」と答えた。

 ナターシャが、「木村さん、ごはんを食べないのですか。」と聞くと、

 木村は、「僕はワインを飲んでいる間、ごはんは食べません。」と答えた。

 その時、「消灯の時間になりました。」とアナウンスがある。

 木村はあわててごはんを少し食べた。

 ナターシャはいつもよりワインを多く飲んだようで、少し酔った様子だった。



 その時、電気が消えスモールランプのみとなった。

 それからしばしの時間が過ぎ、木村とナターシャは熱い口付けを交わした。

 その後二人は固く抱き合い、木村のベッドで寄り添って休んだ。

  
10
月3日 午前6時

 目覚ましのチャイムが鳴り、二人は起き上がった。

 ナターシャは木村と口付けを交わした後、無言で自分の部屋に戻る。

 その後朝食を取り、淡々と時間を過ごした。

 木村は、記者会見で発表する内容をおさらいしている。

 昼食を食べ、くつろいでいると午後1時になった。

 警察の車が迎えに来る。

 木村はコルセットの上に防弾チョッキを付ける。

 帰国の予定を知らされていたナターシャは、木村の部屋に行き、「気を付けて行ってください。
桃子さんに会えなくて残念です。」と言い、昨夜のことは口にしなかった。

 木村は、「はい。」と言って、何か複雑な気持ちになった。

 それからナターシャは静かに、木村のうしろ姿を見送くる。

 エレベーターで1階に下りると、佐山が待っていた。



 木村は、「佐山さん、いよいよ記者発表に日がきた。」と言って、緊張した表情になった。

 佐山が、「木村さんの生命力の強さにはびっくりしています、記者発表も必ず成功します。」
と言うと、

 木村は、「橋詰さんの様子はいかがですか。」と聞いた。

 佐山は、「もう元気そのもので、大声で笑い過ぎて肩が痛くなったと言っていました。」と答
える。

 木村は、「それは結構なことです。」と言って、

 佐山と共に帽子をかぶりワゴン車に乗り込んだ。

 前後にパトカーが付き、サイレンを鳴らして桜田門に向かう。

30
分ほどすると桜田門の警視庁本部に着いた。

 地下の駐車場に直行し、エレベーターで8階の記者会見場に向かう。

 宮川が大量のプレスリリースを持って待っていた。

 宮川は木村に、「記者会見は3時より始める。」、

 「時間は2時間取ってある。始めの1時間は木村さんの説明。」、

 「その後、質問を受ける。司会は佐山くんにやってもらう。」、

 「成田事件の質問が出るだろうが、ノーコメントを貫いてくれ。」、

 「狙撃のことも伏せてくれ。」、

 「ロシアの質問に関しては、KGBのことと人名を出さない範囲で答えてくれ。」、



 「今日は4大紙の警視庁記者グラブ、テレビはNHKを含め5社、週刊誌が3社、月刊誌が
4社、スポーツ紙が3社、それにキリスト教系の団体も来る。」、