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ダヴィンチコード イン ジャパン

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で欲しいそうです。」と言うと、

 西村は、「分かった。」と言って電話を切った。

 それからその旨を安東緑に伝え、

 緑より、メールと振込みがなされた。そして、木村の命は風前の灯となった。

 この本名不詳、暁ジョーという男は元陸上自衛隊員だった。

米海兵隊に出向して狙撃の訓練を受けたという経歴の持ち主で、オリンピック級の腕前を持っ
ていた。アメリカのマフィアに頼まれてヒットを始めたことがきっかけで、数多くのヒットを



手がけ、闇のナンバーワンにのし上がった。この世界では知らないものがいないという、凄腕
のヒットマンであった。

 

 

 



  竹内古文書の調査

  9月
20
日午前8時

 橋詰が木村を起こしに来る。木村は起き上がり、テーブルの上にあるペットボトルの水を一
口飲んだ。

 橋詰が、「木村さん、昨夜はよく眠れましたか。」と聞くと、

 木村は、「ええ、ぐっすり眠れました。」と答えた。

 橋詰が、「となりのビルに朝食が用意してあります。宮川警部も来ております。」と言うと、

 木村は、「分かりました、すぐ行きます。」と言った。そこにナターシャと佐山がやってくる。

 ナターシャは木村に、「ドーブラエ ウートラ(おはようございます)。」と挨拶をした。

 木村はみんなに、「おはようございます。」と挨拶を返した。

 橋詰の先導で地下の通路を通り隣のビルに行く。そこからエレベーターで10階の昨日の部
屋に向かった。

 部屋に着くと宮川が入口近くで待っていた。

宮川は、「おはようございます。」と全員に挨拶をする。

 みんなも挨拶を返した。



 部屋の奥に入ると、コンビニのサンドイッチと缶コーヒーが用意してあった。

 佐山が缶コーヒーとサンドイッチを適当に配る。全員席に着き、朝食を始めた。

橋詰が左手で缶コーヒーを一口飲みながら、「警部、昨日例の闇のサイトに“暁山のぼれ、豪
田”という書き込みがありました。」と言うと、

 宮川の顔色が変わる。

 そして頭を抱え、「豪田か、安東が西村に頼み、西村が豪田に頼んだのだな。」と言って、「暁
ジョーは手強いぞ。」と言い加えた。

 他の人にはその意味がよく分からなかった。

 宮川は続けて、「橋詰くん、防弾チョッキを全員分用意しろ」、

「あいつはM16
にフルメタルジャケット(貫通性の高い弾丸)を使う」、

「用具部に行ってそれに見合った防弾チョッキを用意してもらってくれ。」と言った。

 橋詰が行こうとすると、

 宮川は、「待った、待った、全員分つばのついた帽子を用意してくれ。」、

「なるべく、つばの大きいものがいい。」、

「あいつは、顔を確認してからでないと引き金を引かない。」と言った。

 橋詰はその言葉を聞いた後、用具部に走る。

 木村にもナターシャにも、その意味がよく分からなかったが、何か大変なヒットマンが現れ
そうな気がした。



 宮川は思い出したように、「みなさん、どうぞごゆっくり朝食を食べてください。」と言った。

 木村とナターシャはそれに促され、サンドイッチを食べコーヒーを飲んだ。

 しばらくすると橋詰が戻って来て、「警部、1時間で用意してくれるそうです。」と言った。

 宮川は、「うん、」とうなずき、

 木村とナターシャに、「ちょっと打ち合わせがあるので失礼する。」と言って、橋詰と佐山を
連れて部屋を出た。

 そして隣の部屋に行き橋詰と佐山に、

「君たちも名前を聞いたことがあると思うが、暁ジョーというヒットマンがいる。こいつは元
陸自で凄腕だ。たれも顔を見たことがない。」、

 「こいつは顔を確認してからでないと引き金は引かない。」、

 「アーティストなのだ。」、

 「それで帽子を頼んだ。」、

 「M16
は1,000m以上でも十分殺傷能力はある。」、

 「サイレンサーを使えば音も出ない。」、

 「手強い相手だ、そのつもりでいてくれ。」、

 「特にビルや高速の上などを注意して欲しい。」、

 「二人には余計な心配をかけないため、このことは言うな。」と言った。

 橋詰と佐山は顔を強張らせ、その話を聞いていた。



 話が終わると3人は、元の部屋に戻る。

 食事を続けながら、

 宮川が、「木村さん、あなたの言った通り竹内古文書は国立公文書館にあった。しかし北の
丸ではなく、つくばの分室の方にある。」、 

「木村さん、つくばまで見に行きますか。」と聞くと、木村は即座に、「はい、ぜひ行かなくて
はなりません。」と答えた。

 宮川は、「分かりました、今日
11
時に出発しましょう。」と言った。

 木村は、「ありがとうございます。」と返事をした。

 宮川はナターシャに、「あなたも行きますか。」と聞いた。

 ナターシャは、「ダー(はい)。」と答えた。

 みんなが食事を終えると、

 宮川が、「私たちはつくばに行く用意とします、テレビでも見て待っていてください。」と言っ
て、テレビをつけ、橋詰と佐山を連れて部屋を出て行った。

 木村とナターシャはテレビを見ながら待つことにする。

 テレビは成田事件の実況放送を再放送していた。

 実況中継のヘリコプターが、ミサイルを避けるシーン、

 タンクローリーが高速道路の壁に激突するシーン、

 黒服の車がビルの横に止まり爆発するシーン、



 などを繰り返し、繰り返し放映した。

 ナターシャは目を細め、「私たち、よく無事だったわね。」、「これもキリスト様が守ってくれ
たのよね。」と言った。

 木村も、「うん、うん。」とうなずき同意した。

  9月
20
日午前
11


 橋詰と佐山が防弾チョッキと帽子を持ってくる。

 橋詰が木村に防弾チョッキを渡し、「上着の下につけてください。」と言った。

 木村は上着を脱ぎ、その下にチョッキをつけ再び上着を着る。チョッキの厚さで上着がパン
パンになり、ボタンが全部閉まらなかった。チョッキはかなり重い。

 橋詰が、「どうですか、自由に動けますか。」と聞いた。

 木村は、「僕は防弾チョッキを付けるのは初めてだけれど、こんなに重いものとは知らなかっ
た。」と言った。

 橋詰は、「これはM16
用なので少し重いのです。」と言った。

 ナターシャも、佐山からチョッキを受け取り付けた。

 木村はナターシャに、「随分太った見たいだね。」と言った。

 ナターシャも笑顔で、「そうですね。」と答えた。



 それから4人は帽子をかぶり出発する。

 地下の駐車場にエレベーターで降り、窓を目張りした黒いワゴン車に乗り込む。

 橋詰が運転をして駐車場を出た。

 外にはパトカー2台が待っている。

 黒いワゴンはパトカーの間に入り、首都高速の霞ヶ関入口に向かう。一人のサラリーマン風
の男が、1階の聴聞会場からその様子をうかがっていた。

 首都高速に入るとパトカーはサイレンを鳴らし、スピードを上げて常磐道に向かう。

 箱崎を過ぎたあたりでナターシャが、「この道は空港に行く道と同じですか。」と聞いと、佐