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ダヴィンチコード イン ジャパン

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 木村は、「まだ東京での調査が残っている。今すぐには発表ではできません。」と答えた。

 宮川は、「そうか、それでは身辺保護を考えよう。」と言った後、「橋詰くん。」と外に声をか
ける。すると、
30
歳ぐらいの男性と
25
歳ぐらいの愛想のいい女性が部屋に入って来る。

 そして男性は、「橋詰隆」、女性は、「左山京子」と英語で名乗った。

宮 川は、「二人があんたたちの身辺保護をします。
24
時間一緒なのでよろしくお願いいたし
ます。」と言った。

 木村は、「木村孝.」 、ナターシャは「ナターシャ・グレゴリア。」、と名乗り、お互いに難
い握手を交わした。

 宮川が、「簡単な食事を用意してある。佐山くん持って来てくれ。」と言うと、佐山が隣の部
屋から食事を持ってくる。

 コンビニの弁当が4つ、ナターシャにはサンドイッチが出てきた。それにペットボトルの
ジュースとお茶が5・6本付いている。

 木村は本当に簡単だなあ、KGBとはえらい違いだと内心思った。

 佐山がお茶と弁当を適当に配る。

 宮川はコンビニ弁当のセロハンを剥がしながら、「はじめに人を間違えて襲ったのが、安東



組のヒットマンだ。木村さん、あなたは安東組とフリーメイソンの両方に狙われている。」と言っ
た。

 木村が悲壮な顔をすると、

 宮川は、「大丈夫だ、我々が全力を挙げて守るから。」と言った。

 ナターシャが、「ユーリーが連絡したのに、なぜ空港に来てくれなかったのですか。」と言うと、

 宮川は頭を抱え、「どうしてもやらなくてはならないことがあって行けなかった。大変失礼
した。」と答えた。そして、「その分こらから力を入れてガードするから、堪忍して欲しい。」
と続けた。

 木村はあまり食欲がなく、お茶だけを飲み弁当には手を付けなかった。

 それを見てナターシャが、「木村さん、食べませんか。」とサンドイッチをひとつ差し出した。

 木村は、「スパシーバ(ありがとう)。」と言い、そのサンドイッチを口に運んだ。

 左利きの橋詰は左手で弁当を開けながら、「身辺保護の計画を立てるので、あすからの予定
を教えてください。」と言った。

 木村が、「竹内古文書という文献を調べに国立公文書館に行きたい。」と言うと、

 宮川が、「竹内古文書は東京大空襲で焼けてしまったという話だが。」と口を挟む。

 木村は、「それは表向きで、本当は公文書館に残っているという話です。」と言った。

 宮川は目を閉じ、意味ありげな顔をしながら、「調べてみよう。」と言った。

 橋詰が、「国立公文書館は北の丸にあるから、ここから近いので車で行きましょう。前後に



パトカーを付けましょう。」と言った。

 佐山が、「ナターシャに、あなたも国立公文書館に行きますか。」と聞くと、

 ナターシャは、「ダー(はい)。」と答えた。

 橋詰が宮川に、「警部、今日フリーメイソンは携帯ミサイルを使っていた。パトカーだけで
大丈夫でしょうか。」と聞くと、

 宮川は、「そうだあ、気を付ければ大丈夫だろう。」と言った。

 橋詰が、「道路封鎖をしなくてもいいですか。」と尋ねると、

 宮川が、「そこまでやるとマスコミがうるさいからな。」と言って、道路封鎖はしないことに
した。

 皆が食事を終えると、

 宮川が、「今日は大変な日だった。ロングフライトの後でもあるし、そろそろ休むことにし
よう。隣のビルにちょっと居心地は悪いのだが、絶対安全な場所がある。」と言って、

橋詰と佐山に案内させる。

 4人で地下に降り、隣のビルに行く。隣のビルに行ってみると、そこは使っていない留置場
だった。鉄格子の入口をはずし、中に簡易ベッドと机が置いてあった。そして机の上にはペッ
トボトルの水が用意してあった。部屋は4つあり、入口の部屋に橋詰・次の部屋が佐山そして、
木村・ナターシャの順に部屋に入った。

 佐山が、「シャワー室はこの奥にあります。」と説明した。



 ナターシャが、「私はシャワーを浴びたいです。」と言うと、

 佐山がタオルを持ってシャワー室に案内する。そしてナターシャが浴び終わるまで、シャワー
室の外に立っていた。

 同じく木村が、シャワーを浴びる間、橋詰が外をガードしていた。4人はシャワーを浴び、
その後床に就いた。



  成田事件の反響

 その日は日本中がこの事件で大騒ぎをしていた。テレビ局ごとに解説員を招き、事件の背景・
だれが狙われていたのか、1日中放送している。NHKは湾岸戦争からおなじみの解説者上山
始とセキュリティーの第一人者大川昭雄を招き、特集番組を組んだ。

 アナウンサー鹿島弘が、「今回の事件は亡くなられた方2名、重傷者
10
名、軽症者
20
名、被
害車両
25
台と大惨事になりました。お亡くなりのなられた方のご冥福を心よりお祈りいたしま
す。」と口火を切った。

 鹿島が、「上山さん、今回の事件の背景として何が考えられますか。」と聞くと、

 上山は、「たぶん中東からロシアにかけて、大勢力を持つマフィア組織が絡んだ事件でしょう。
彼らは各国で同じような事件を起こしている。」、続けて鹿島が、「マフィアにしては何か大掛
かり過ぎるようですが。」と聞くと。

 上山は、「今のマフィアは、AK47(マシンガン)や携帯ミサイルを持っているのが当たり
前になっている。このような犯罪が世界では当たり前なのです。」と言った。

 鹿島が、「大川さん、彼らはなぜ簡単にマシンガンや携帯ミサイルを国内に持ち込めたので
すか。」と聞くと。

 大川は、「それが大問題なのです。日本に入る荷物を全部チェックすることは不可能です。



世界中で今何が起きているのか、どのような組織が何を考えているにか、戦略的に分析ができ
るCIAやKGB のような組織が日本にも必要なのでしょう。」と答えた。

 鹿島は、「大川さん、そのような組織を日本に作ることができるのでしょうか。」と聞くと、

 大川は、「人材はいくらでもいる。問題は法律の整備です。機密保持法がほとんどない日本
ではなかなか難しいところがあります。」と答えた。

 上山も、「そうですね、日本は犯罪天国ですから。」と同意した。

 鹿島が、「日本と世界の国境がなくなってきているようですが。」と言うと、

 上山が、「このグローバル・エコノミーの時代、人の移動・物流を止めることは不可能です。
大川さんが言ったような戦略情報組織が必要なのでしょう。今の公安調査庁にもっと予算を出
して、戦略情報を集める必要があるかもしれないですね。」と言った。

 大川も、「私はそこの出身だから、今の話が痛いほど分かる。やる気のある職員は自腹をきっ
て情報を集めている。こんなことでは、今度のような事件などは防げないだろう。」と上山に
同意した。

 上山は、「仮に民主党が政権を取ったりすれば、さらに情勢は悪くなるのではないか。」と言
うと、あわてて鹿島が、「まあ、政党のことは置いといて、何か具体的な方策はないでしょうか、」
と話を変えた。