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ダヴィンチコード イン ジャパン

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 木村が黒パンをボルシチにつけてそれを食べながら、

 「ブノワの聖母を裏返して、リッタの聖母の上に重ねる。」、

 「すると、青森に地図が現れる。」、

 「その地図のキリストがいる場所が、今の青森市です。」、

 「そこには三内・丸山という遺跡があり、キリストと同時代に栄えた。」、

 「キリストは三内・丸山を訪れたのです。」、と言った。
           



    モナリザの頭の右上



                                  

                           

     

                            リッタの聖母

 



      ブノワの聖母

 


                          ブノワの聖母の裏返し

   

 リガチョフが、「実に興味深い、キリストの姿を見たという話を聞かせてくれますか。」と言
うと、木村は、「僕はガールフレンドと青森に行ったとき、道に迷ってしまい偶然キリストの
墓の前に出た。」、

 「そこで、天に昇って行くキリスト姿を見た。」、

 「そのとき、天にゴルゴダの丘が見えた。」、

 「僕はそれを見て、エルサレムに行く決心をする。」、



 「休暇がすぐに取れず、今月はじめにエルサレムに行きました。」、

 「ゴルゴダの丘の後に建てられた聖墳墓教会で、再びキリストを見ました。」、

 「そのとき、キリストは北の方を指差しました。」、

 「持っていたヨーロッパの地図を北に合わせて広げると、指差したのはサンクトペトロブル
グだと分かった。」と言うと、リガチョフが、「どうして、サンクトペトロブルグだと分かった
のですか。」と口を挿むと、木村は、「キリストが指差した方向にはサンクトペトロブルグ以外
の町はなかった。」と言った。

 リガチョフが、「町を指差したのではないかもないと思いませんでしたか。」と突っ込んでく
る。

 木村は、「僕は両親が事故死して以来、非常に強い勘が働くようになりました。」と言うと、

 ナターシャもうなずき、「私も同じです。父が戦死して以来今までにはない勘が働くように
なりました。」と口を挿んだ。

 木村が、「僕はその勘に導かれてここに来た。」と言うと、

 リガチョフも、「うん。」とうなずき同意した。

 ナターシャがゴルブツイ(ロールキャベツ)をナイフで切りながら、「ダヴィンチはフリー
メイソンのメンバーで、テンプラー騎士団がエルサレムを占領したときの資料を見て、キリス
トが日本へ行ったことを知った。」と言うと、

 木村も、「ナターシャさんと会わなければ、このことは分からなかった。」と言い、



 続けて、「サンクトペトロブルグに着いた後、タクシーでホテルに行こうとした。」、

 「運転手にどこか教会はないかと聞いた所。」、

 「アストリアホテルのすぐ前にある、と言ってイサク堂に案内してくれた。」、

 「その教会のイコンの前で、飛び出してくるキリストの姿を見た。」と言うと、

 ナターシャも、「そのとき私も見ました。」と口を挟んだ。

 木村は、「日本にいるとき、モナリザのトランプを見てそこに青森の地図があることを知っ
た。」、

 「そのときのカードはクラブの6であった。」、

 「エルサレムの聖墳墓教会の入口で、老人から同じクラブの6のモナリザトランプを受け取っ
た。」、

 「その後、あの黒服グループに追いかけられている。」と言った。

 リガチョフはカツレツをほおばりながら、「うん。」とうなずいていた。

 そしてその後で、「そのカードはキーカードです。」、

 「フリーメイソンはよくキーカードを使う。」、

「キーカードとは彼らの呪いをかけたカードで、かってに人から人に動きまわり敵の存在を教
える。」

「彼らはそのキーカードを追いかけて、敵の位置を把握している。」と言い、

 「そのキーカードは今どこにありますか。」と聞いた。



 木村は、「僕が持っております。」と言って、2枚のクラブの6を見せた。

 リガチョフは、「そのカードは危険なので私が預かりましょう。」と言った。

 木村も、「僕はこのトランプにそのような意味があるとは知らなかった。」と言って、2枚の
カードをリガチョフに渡した。

 リガチョフはそのカードを受け取り、「これは思ったより大変な事態だ。」と言い、

 続けて、「フリーメイソンは、キリストが400年近く日本にいたという事実を隠し通すつ
もりです。そのためには何でもする。間違いなく木村さんの抹殺を決定している。」と言った。

 ナターシャは眉を細めてその話を聞いていた。

 リガチョフは、「早くその事実を発表してしまった方がいい。」、「発表してしまえば、もう命
を狙われることはなくなる。」と言った。

 木村が、「発表するためには、もう少し確認しなければならない資料がある。」と言うと、

 リガチョフが、「それは何でどこにあるのか。」と聞いた。

 木村は、「それは竹内古文書で、東京の国立公文書館にある。」と答えた。

リガチョフは頭をかかえる。

 そして、「日本に戻ることはきわめて危険なことです。あなたの命を守ってくれる人がだれ
もいない。」と言った。

 木村は、「僕はエルサレムに行ったときから腹を決めている。危険は分かっています。

 竹内古文書を調べてから、全世界に発表してみんなを驚かせましょう。」と言った。



 そのときナターシャが、「私も日本に行って木村さんのお手伝いをします。」と言うと、

 リガチョフは再び困惑した表情をした後で、「日本の公安調査庁に宮川正弘という警部がい
る。日本の中では珍しく情報通です。その人に連絡を取りましょう。」と言った。

 木村は、「よろしくお願いいたします。」と連絡を依頼する。

 リガチョフは、「1週間後の9月17日に日本に行くことにしましょう。」、

「飛行機の手配はこちらでします。」、

「ビザの心配もしないでください。」、

「日本行きの日付を誰にも話さないでくだい。」と言った。

 木村もナターシャも話しの内容から食事が進まなくなり、半分残してしまった。

 リガチョフだけはいつも冷静で、食事をすべて平らげた。

 最後にリガチョフが、「最終的な日付は後で連絡します。」、

「外は危険なので、出発日までこのビル内に留まってください。」と言った。

 木村はリガチョフに、「スパシーバ・バリショイ(本当にありがとうございます)。」と言った。

 ナターシャも同じく礼を言い、リガチョフはクレムリンに戻った。

 翌日リガチョフより木村に電話が入る。

 リガチョフは、「日本行きは、9月17日アエロフロート575便に決まりました。

 宮川警部に身辺保護をお願いしました。」と言い、続けて、「ナターシャさんも一緒です。日
本でのホテルは予約していないので、あなたの方でお願いします。」と言った。