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ダヴィンチコード イン ジャパン

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ギー・ラドネスキーによって造られた。」、「ここの院長は最近亡くなられた

アレクシス2世で、ロシア全土の総主教でした。」と説明した。

木村が、「セルギエフ・パサードにはいくつぐらいの寺院があるのですか。」と尋ねると、



 マルスキーは、「至聖三者(三位一体)

セルギー・ラヴラ建築遺産郡と言って多くの建物があり、それが世界遺産になっている。」と
答えた。

 ナターシャも、「私もセルギエフ・パサードに行ったことがありますが、たくさん寺院があ
り美しい所です。」と言った。

 そんな話をしている間に車はモスクワの郊外に出る。      

遠くまでロシアの大地を見通すことが出来た。          

 木村はモスクワの近くなのにこんなに広い場所がある、

と思いロシアの広さを実感していた。

2時間ほど走ると、遠くにセルギエフ・パサードの建物

が見えてきた。

 いつの間にかパトカーもどこかに走り去っていた。

 大きな塔が一つあり、その周りにたくさんの建物が

建っている。                        

 屋根が金やブルーの美しい建物が、塔の近くに

いくつもあった。

 マルスキーが、「あれがセルギエフ・パサードです。

ロシア革命後の1920年に閉鎖されたが、          セルギエフ・パサード



第二次世界大戦の後再開された。」と言った。

 セルギエフ・パサードに到着すると、駐車場に車を入れた。

 マルスキーは腰に手をやり、緊張した表情になる。三人は駐車場から歩いて、セルギエフ・
パサードの中に入った。

 マルスキーが、「KGBの調査によると、フリーメイソンは自分たちを宗教グループだと自
負しているようで、イスラム教以外の宗教施設では人殺しをしないようだ。」と言った。

 しばらく行くと、
16
世紀に創られた城壁に囲まれるトローイツェ・セルギエフ大修道院の前
に出た。

中に入ると創始者のセルギー・ラドネシスキーの像が立っていた。

 木村はマルスキーに、「あの人がここを創ったのですか。」と尋ねると、

 マルスキーは、「そうです、ラドネシスキーの像です。」と言った。

 三人は更に中に進む。

 美しい建物がたくさんある。

 マルスキーが4つの青いドームを持つ建物を指差し、

 「あれはウスペンスキー聖堂。」、

 薄茶の建物を指差し、

 「あれは博物館です。」屋根が青い建物を指差し、

 「あれはドゥホフスカヤ聖堂。」と説明をした。



 木村がマルスキーに、「本当に美しい建物ですね。」と言うと、

 マルスキーは、「うん。」とうなずいた。

 多くの人たちがペットボトルを持って並んでいる。

 木村が、「あの人たちはなぜ並んでいるのですか。」と聞くと、

 ナターシャが、「あの人たちは聖水をくむために並んでいるのです。」と答えた。

 木村が、「僕もその水を飲んでみたいですね。」と言うと、

 マルスキーが、「後で行って見ましょう。」と言った。

 青い4つのドームがあるウスペンスキー聖堂の中に入る。

 壁にはびっしりとイコンがかけられている。

 荘厳な雰囲気である。

 多くの人たちがイコンの前で十字を切っている。

 そして十字を切った後でおじぎをしている。

 木村はその光景を見てどこか日本に似ているな、と思った。上を見上げると豪華なシャンデ
リアがあった。

 マルスキーが、「ここは1、585年イワン雷帝によって創られた。」と言った。

 その後三人は建物から出て、中庭の中央にある聖水の井戸に行った。人々が長い列を作って
いる。

 マルスキーが列の先頭に行き、手帳のようなものを見せた。そして、「こちらにこい、」と手



招きをする。

 二人は手招きに従い、マルスキーの所へ行った。井戸から聖水が湧き出している。

 木村はその聖水を両手ですくい、一気に飲んだ。特別な味はしなかったが、何か元気が出た
ような気になった。

 木村は、「この水は聖水の味がする。」と意味不明なことを言った。

 二人はそれを聞き、軽い笑いを浮かべていた。

その後マルスキーが、「食事に行こう。」と言う。

 二人が同意して3人で大食堂に行った。

 大食堂に着くとマルスキーが、「ここは修道僧のために創られた食堂で、ピョートル大帝が
匿われたこともある。」と説明した。

 中年の女性が注文を取りにやって来る。

 マルスキーは、「サラダ・チーズ・タンシチュー。」と言った。

 木村は、「サラダ・コンソメヌードルスープ・ビーフストロガノフ。」を注文する。

 ナターシャは、「サラダ・コンソメヌードルスープ・ゴルブツイ(ロールキャベツ)をお願
いします。」と言った。

 その女性が、「飲み物とデザートはどうしますか。」と聞いた。

 マルスキーは紅茶を、木村はコーヒーを、ナターシャは紅茶とハーブアイスクリームを注文
した。



 マルスキーが、「ここではフリーメイソンは襲ってこないが、また帰りは分からない。」と言
うと、

 ナターシャは、「私はあの人たち大嫌い、キリスト様で儲けようなんて許せない。」と言った。

 そのとき料理が運ばれて来た。

 木村がコンソメスープを飲みながら、「ここではKGBが助けてくれるが、日本に帰った後
は大変だな。」と言った。

 ナターシャはゴルブツイ(ロールキャベツ)をナイフで切りながら、「マルスキー、日本で
も木村さんを助けられないのか。」と言うと、

 マルスキーは下を向いてうつむいていた。

 木村はそれを見て、「マルスキーさんにはとても感謝している。今日も危ないところを助け
てくれた。」と言った。

 マルスキーがおもむろに、「セルギエフ・パサードはどうですか。」と木村に聞くと、

 木村はビーフストロガノフを食べながら、「ここは素晴らしい所だ、ロシアの歴史が詰まっ
ている。建物がとても美しい。」と言った。

 マルスキーが、「他に見たい所がありますか。」と聞くと、

 木村は、「他の建物の中も見たいです。」と言った。

 マルスキーは、「分かりました。」と返事をした。

 ナターシャが、「トロイツキー聖堂のイコンを見に行ったらどうでしょうか。」と言うと、



 マルスキーは、「ルブリョフのイコンを見にいくのはいい考えだ。」と言った。

3人は食事を終えると、トロイツキー聖堂に行くことにする。

 トロイツキー聖堂は金色のドームを持つ、美しい建物だった。

 マルスキーが、「ここは1423年に建てられた、

 ここの地下納骨堂には歴代のロシア正教総主教が眠っている。」と説明した。

3人は建物の中に入って行く。

 ここにはルブリョフのイコン「至聖三者(三位一体)」がある。

 三人はそのイコンの前に進んだ。

 3人の神様が描かれている。

 木村はそれを見てどこか日本の三尊仏に似ているな、と思った。

 それからいくつかの建物を見て廻り、5時近くになった。

マルスキーが、「日が暮れる前に帰ろう。」と言った。